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大学生・大学教員のための朝鮮ツアー/参加した日本人の感想

朝鮮の人々の「祖国」に触れる

【平壌発=金淑美】11回目となる「大学生・大学教員のための朝鮮ツアー」が、8月30日〜9月4日にかけて行われた。同胞学生、教員を含む19人が訪朝し、平壌や開城などの各所を訪れ、朝鮮の人々とふれあった。

8人が初訪朝

「日朝友好を願う大学生・大学教員の会」が主催する訪朝ツアーは、朝・日関係がこう着状態にある中、日本人自身が実際に朝鮮を訪れ、朝鮮の人々との直接的な交流を通じて歪んだ朝鮮像を見直し、朝・日友好について考える目的で2005年に初めて実施された。以降、参加人数を継続的に伸ばし、今年は初訪朝以来、過去最多人数となった。ツアーに帯同した留学同中央の洪滉仁副委員長は「地道に経験を積み重ねてきた結果」と評価する。

とりわけ今回は19人中、8人が初訪朝だった。

平壌教員大学を訪れたメンバーたち

出岡学さん(53、法政大学国際高等学校教諭)もその一人。きっかけは映画「ウリハッキョ」。修学旅行先の朝鮮で朝鮮学校の生徒らがうれしそうに笑い、目をキラキラさせながらはしゃぐ姿に心を奪われ、一度自分の目で朝鮮を見てみたいと考えるようになったという。

「明るい色彩で統一された街並みも美しいがそれ以上に、街を綺麗に掃除する市民の姿に朝鮮の人々が自分の国を誇りに思い、心から大切にしていると感じた」と出岡さん。そこから豊かさとは、真の幸せとは何かを見つめ直したという。

滞在期間は、通訳として一行をサポートした平壌外国語大学の教員らとも交流を深めた。「日本人の学生たちが朝鮮の人々と日朝の歴史などについて語り合う過程で戸惑い、悩みながらも、自分の問題として引き受けようとする姿に日朝関係改善への希望を見た。このようにして友好関係が始まるんだと思った。訪朝について周囲にどう見られるか緊張や不安もあったが、今は生徒たちに自分の経験を語りたい、語らなければならないと思っている。尽力してくれた朝鮮の方々への感謝も込めて」(出岡さん)

各所を訪れ朝鮮の人々と触れ合った。写真は柳京眼科総合病院

「朝日・日朝大学生友好ネットワーク」のメンバーでもある加藤理恵さん(23、東京外国語大学4年)は「朝鮮大学校の学生たちが自分たちの祖国を誇りに思う理由を知りたかった」と訪朝の動機を明かす。今回訪れた板門店にはひと月前、南側から入った。「日本人である自分は南も北も行けるのに南北の人たちはお互いに行き来できない。複雑な気持ちだった」と加藤さん。「南北分断の原因をつくった日本の国民である自分が朝鮮半島の問題についてあれこれ評価すべきではないと自覚している。まず朝鮮について知って、周囲にも知ってもらうため大学生だからこそできる勉強会などに取り組んでいきたい」と語った。

一方、森尚子さん(24、名古屋大学修士課程2年)は昨年に続き2度目の訪朝。自らの好奇心を満たすことに終始した初回の反省から、今年はもっと学びたいとの思いで参加した。「朝鮮学校」が修士論文の研究テーマだという森さん。「在日の人たちは日本への同化に抵抗し、必死に民族を守っている。日本人である自分は、それがなぜなのか、在日にとっての『民族の必要性』とは何なのかよくわからなかった。今回、朝鮮の人たちの祖国や民族に対する思いに触れて、海外公民である在日の人たちの思いとリンクしていると感じた。本国の人たちもまた、在日朝鮮人に対して民族分断、離散の歴史の中で、決して欠かすことのできない存在として捉えていると知り、とても貴重だった」と思いを語った。

(朝鮮新報)