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平和国家じゃない、戦争に加担する日本/フリーランスエイドワーカー・高遠菜穂子さんに聞く

2018年01月13日 11:39 文化・歴史 主要ニュース

ISに襲われ、シンジャル山で2週間生き延びたヤジディ教徒の赤ちゃんを抱いて(2014年8月)

イラク戦争の教訓忘れないで

―何でイラクなんか行くの? 危ないじゃん。

「そう言われるだけで泣きそうだった。とにかく日本人を無視しようと十数年。外国にいるほうが楽だった」

今日の世界人口75億人。その内113人中の1人にあたる6560万人が避難民とされている。「この人たちを支える仕事がなかったら地球は破滅する。実は世界では多くの人が携わっていて、ジュネーブに行くと誰も驚かないしましてや『何でイラクなんかに』だなんて言われない」。

高遠菜穂子さんは2000年からフリーランスエイドワーカーとしての人生をスタートし、03年3月20日イラク戦争の開戦から2ヵ月後、ジョージ・W・ブッシュによる「大規模戦闘終結宣言」を受け5月1日からイラクに入った。04年、イラク日本人人質事件に巻き込まれ日本のマスコミや周囲の人々から激しい「自己責任」バッシングを浴びせられながらもなお、今日までの14年間をイラクを中心とする紛争地で活動している。イラクと日本を行き来した回数は数え切れない。いや、数えていない。

そんな高遠さんの仕事の9割は「緊急支援」だ。「軍事作戦があるというとき、作戦が開始されてから準備をしても間に合わない。軍事作戦開始の事実を知った瞬間に人が逃げてくるし、始まった瞬間から押し寄せてくる。そんな地獄の様子をいつも想定している」。

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