〈取材ノート〉祖国と朝鮮学校
2017年02月07日 11:22 コラム橋下徹元大阪府知事が補助金交付の条件とした「4要件」を「相応の合理性がある」と認めた大阪補助金裁判判決文を読み、2010年3月に朝鮮学校を視察した際の知事の言葉が想起された。「不法な国家体制とつきあいがあるなら、僕は子どもたちを取り戻し、ちゃんと正常な学校で学ばせる」。
高校無償化制度からの朝鮮学校除外、朝鮮「制裁」の拡大の中で発出された昨年の 「3.29通知」、昨年末、朝鮮からの教育援助費を理由に和歌山初中への補助金不交付を決定した和歌山市の判断。上記の事柄に通底するのは、生徒たちの祖国を「絶対悪」とし展開される議論に右倣いする日本社会の状況だ。メディア全体の「北朝鮮バッシング」の中で形作られてきた土壌が司法の現場にまで浸透していることを、この判決を受け痛感した。
迎春公演に参加した生徒たちの姿を思い出す。