「慰安婦」問題日韓合意に反対する首相官邸前抗議行動/「日米韓軍事一体化促す“合意”」
2016年01月07日 13:47 主要ニュース南・挺対協呼びかけで 世界連帯行動
1992年1月8日に初めて行われた日本軍「慰安婦」問題解決を求めるソウル・日本大使館前での水曜デモから、満24周年の水曜日となる1月6日、南の挺身隊問題協議会の呼びかけで、世界各国で連帯水曜デモが行われた。デモでは、昨年12月28日の「慰安婦」問題に関する日韓政府間合意に反対し、日本軍「慰安婦」問題の正しい解決を要求する抗議が行われた。
日本市民の反対の声
18時半、首相官邸前では、日本市民らによる抗議活動が繰り広げられ、総勢100人の参加者たちが思い思いのプラカードを掲げた。
「日本軍『慰安婦』制度は戦争犯罪だ!」
「賠償と真相究明を!」
「ハルモニと手をつなごう!」
シュプレヒコールが響く中、スピーチに立ったのは山口正紀さん(66、ジャーナリスト)。「安保法制反対の論調を唱えていた新聞各紙が揃って、日韓合意は和解への大きな一歩と評価したことに驚きを隠せなかった」。何故なら、被害者不在の合意が成された背景には、「日米韓の軍事一体化を促す為政者の意図」があったからだ。「合意は『戦争の地ならし』に過ぎない。だからこそハルモニたちが怒っている。日本人こそが責任を感じるべきだ」。
山下治子さん(78)も声を上げる。「被害者、そして支援する人々を締め出した合意は偽善的な政治合意にすぎない」。日本軍「慰安婦」被害者が名乗り出た90年代まで、沈黙せざるをえなかった女性たちの苦しみ、そしてその事実を知らなかった自身の無知さに対する申し訳なさが押し寄せ、声が震える。「日本は植民地支配の歴史を省みず、引きずってきたからこそ、真の謝罪ができない。『少女像の撤去』や『最終的かつ不可逆的な解決』などの条件を加害国である日本が盛り込むこと自体が被害者に対する侮辱だ」と話す。
「『未来志向』という言葉の中で、加害者の責任はうやむやにされ、泣き寝入りするのは被害者だ」と語るのは植松青児さん(55)。合意発表当日、安倍晋三首相は「私たちの子や孫の世代に、謝罪し続ける運命を背負わせるわけにはいかない。その決意を実行に移すための合意だ」と述べた。「真相の究明も、歴史教育への言及もない、日本のあいまいな責任認定とお詫びで何が解決するのか。日本社会に跋扈する歴史修正主義の最もたるものだ」と語気を強める。
首相官邸前での連帯行動を呼びかけた尾澤邦子さん(64)は「被害者、そして私たちが求めるのは日本政府が法的責任を認めた上での謝罪、賠償、そして真相究明だ。この数十年間何度も苦しみを受けてきた被害者を思い、解決のために声を上げたい」と語った。
(金宥羅)