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政府間対話の実現 

2014年03月08日 10:43 春・夏・秋・冬

1年7ヶ月ぶりに開かれた朝・日赤十字会談には両国の外務省課長も同席した。日本側の説明によると会談は朝鮮側の提案で実現した。外務省担当者の同席は日本側が求めたようだ。会談の冒頭、日本赤十字の部長が、これについて謝意を述べた。

▼朝・日会談を取材した経験からすると、日本側が気にかけるのは協議内容よりも「国内世論」だ。メデイアは「拉致問題の扱い」に焦点をあてる。当事者たちは朝鮮との対話に意味があったとアピールする方策を講じなければならない。

▼平壌宣言採択後、日本は拉致問題で隣国への反感を煽り、朝鮮敵視政策を合理化した。それが自らの手足を縛る結果となった。政府は隣国との外交交渉を思うように行うことができない。「国内世論」を納得させるための「お膳立て」が必要だ。

▼朝鮮は、このような日本の国内事情を踏まえて会談に臨んでいる。今回の赤十字会談では日本人遺骨問題が話し合われ、並行して外務省課長らによる協議も行われた。人道問題を前面に出すことで、安倍政権発足後、初となる政府間対話がスムーズに実現した。協議終了後、政府関係者が「日本の考えはしっかり伝えた」とメディアに語れば、拉致問題が取り上げられたかのような印象を与えることができる。

▼まずは、朝・日対話のための環境づくりが先行した。このタイミングで朝鮮の提案に応じた現政権の思惑は、今後の継続協議で明らかになる。(永)

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