「並進路線」の反響
2013年04月06日 13:43 春・夏・秋・冬朝鮮労働党中央委総会で、経済・核武力建設の並進路線が採択された。最高人民会議では新路線に基づき「核保有国の地位を強固にする法」が可決された。
▼米国の核威嚇に対抗し、経済復興の前提となる平和の実現のために、朝鮮は決断をした。6者会談のテーマであった「朝鮮半島の非核化」は、現実的な課題とは言い難く、関係国は新たな外交アプローチを求められることになった。
▼中国メディアの反応が興味深い。環球時報の社説は、「朝鮮の核放棄」という実現性のないスローガンを繰り返す間に、軍事的緊張が高まる朝鮮半島で不測の事態が起きる可能性に言及し、いまの中国は突発的な状況を事前に阻止する能力を備えていないと指摘した。そして中国の戦略的目標を非核化ではなく「朝鮮半島における戦乱の防止」に変更しなければならないと主張した。
▼メディア関係者の中では、中国共産党の機関紙、人民日報の姉妹紙と称される新聞が「核問題の見直し」を提言した背景に関心が集まった。批判の矛先が向けられたのは中国の党と政府だけではない。社説は「米国も表面では怒っているが、実際は朝鮮の核放棄をすでに諦めている」との分析を示した。
▼一触即発の危機をはらんだ情勢が続く中、オバマ政権は「北朝鮮が非核化に向けて動けば対応する」と、空虚な言葉を繰り返している。茶番劇は、もうやめたほうがいい。中国人のアドバイスが聞えるようだ。(永)