南大阪初級チャリティーコンサート、92歳の歌声で高らかに
2013年03月04日 21:00 主要ニュース朝鮮訪問28回、金日成主席会見3回、親善勲章1級受賞者の小笠原美都子さんによる「南大阪朝鮮初級学校支援小笠原美都子92歳のチャリティーコンサート『歌はわが華』」が2月23日、大阪府堺市の堺サンスクエアホールで行われ、日本市民と同胞ら400人が観賞した。
「市民らの日朝友好活動」を謳った同コンサートは、「高校無償化」問題、大阪府や市の助成金不支給問題などで、多くの負担を強いられている朝鮮学校を支援する目的で行われた。
実行委員会の小川たか子委員長はあいさつで、日朝間の緊張における最大の被害者が朝鮮学校に通う生徒たちだと指摘した。そのうえで、状況打開に向け、できることを考えた末、南大阪初級支援を目的としたチャリティーコンサートを開催するに至ったと、これまでの経緯について述べた。そして、日朝友好活動を40年行ってきた小笠原美都子さんの快諾を得て、多くの協力、協賛のなかで、開催が実現したと話した。また、「在日コリアンの子どもたちが、当たり前のこととして朝鮮の言葉や文化、歴史を学び、これからの日本と朝鮮の友好の架け橋となると信じてやまない。私たちは今日のコンサートを朝鮮学校の支援活動の始まりと思っている」と語った。
コンサートは、1部で日本の歌、2部で朝鮮の歌を中心に構成された。小笠原さんをはじめ、日朝音楽芸術交流会の池辺幸恵会長、遠山洋子副会長、在日同胞音楽愛好家や日本の各界で活躍するプロの音楽家、南大阪初級生徒、新屋英子さん(ビデオレター)らが出演した。
とくに、92歳という年齢を思わせない歌声で会場を大いに沸かせた小笠原さんに、観客は大きな拍手を送っていた。コンサート中のインタビューでは、金日成主席との思い出話をしながら小笠原さんが涙ぐむ一場面もあった。
一方、南大阪初級生徒らの演目で日本市民らはそのレベルの高さに驚いていた。
昨年、4月に平壌で行われた「4月の春親善芸術祭典」に参加した日朝音楽芸術交流会の池辺幸恵会長らは、訪朝団「日朝友好なにわの翼」として8月に再訪朝した。その歓送迎会で、コンサートの話があがり、小笠原美都子さんに打診したところ、快諾。9月にコンサート実行委員会および事務局を立ち上げる運びとなった。
実行委員長には、堺朝鮮初級学校(現在休校中)への支援活動に尽力した前堺市議の小川たか子さんが就いた。日朝音楽芸術交流会、南大阪アプロハムケ(南大阪初級を支援する日本の団体)が実行委の共催団体として名乗りを上げた。
実行委員および総聯大阪・堺支部役員をはじめとする事務局員らは、このコンサートの趣旨に賛同する日本の友好団体や個人、同胞組織や同胞たちに協賛を呼びかけ、出演者や会場の確保、動員、チケット、チラシの製作と販売、配布、当日の演出、広告の募集、財政問題など、すべて自力で行った。そのために開かれた会議は12回を数える。
そのような活動のなかで迎えた当日のコンサートは、涙あり、笑いありのすばらしいコンサート、日朝友好と民族教育支援が歌でつながった感動的なコンサートになったとの声が多く聞かれた。
参加者たちは、「92歳のすばらしい歌声を聴けて感動した。自分たちもまだまだがんばらなければ」(60代の同胞女性)、「日朝友好にかける思いをわれわれ若い世代が継がなければならない」(50代の日本人男性)、「ウリハッキョのことに日本の方々がこんなに真剣に取り組んでくれる。ウリハッキョ卒業生の私たちがもっと力を集めて責任を持って解決していこう!」(20代の同胞女性)と感想を述べていた。
【堺分局】