公式アカウント

〈くらしの周辺〉トンボとボンネット/成耆鉉

研究都市、つくば。人口約19万人。1万3千人が研究に従事する。 梅雨明け直後の土曜の昼下がり。私は実験を早々切り上げ、他の研究所で行われるセミナーに参加するため、車に乗り込んだ。午後の日差しが照りつけ…

〈くらしの周辺〉自分にとっての「百城」を/劉英治

故事成語に「丈夫、書万巻を擁さば、何ぞ百城に南面するを仮らんや」とある。 高位高官という世俗的な価値よりも、趣味の世界に生きる事こそ尊いという価値観だ。

〈くらしの周辺〉願わくば、共有財産として/劉英治

春はすなわち球春、血わき肉踊るプロ野球開幕の季節である。今年も試合の数だけ酒を飲める機会があるのかと思うと居ても立ってもいられぬ。世間ではプロ野球に酒が絡むとオヤジ臭が立ち昇ると言うから、20代半ばの…

〈くらしの周辺〉「10年経てば」/劉英治

初級部からの悪友2人と久々に飲む約束をした際、ご丁寧にも、今付き合っている彼女を私に紹介しておきたいのだという。そして迎えた当日、目の前には悪友たちと、それぞれに寄り添う2人の日本人女性。正直心境は複…

〈くらしの周辺〉博多の屋台で/劉英治

帰れる場所は多いほどよい。 1月末に少し遅めの冬休みを取り、地元福岡に帰省する楽しみのひとつは屋台に行くことである。 元々そこは父の行きつけで、大将とは30年近い付き合いがあるという。成人してほどなく…

〈くらしの周辺〉メリットとコスト/李東一

マクロ経済学には「外部コスト」という概念があるが、その一例を挙げるとすれば、近年定着したゴミ収集料金がある。つい数年前まではゴミを出すのにお金がかかるなど想像もつかなかったのだが、だからといってある日…

〈くらしの周辺〉定職に就かない若者たち/李東一

ニート(NEET:職に就いていず、学校機関に所属もしていず、就労に向けた具体的な動きをしていない)の若者たちが日本で68万人を数えるという。 労働人口減少への危機感から多くの関心を集めているようだが、…

〈くらしの周辺〉変化の「形」/李東一

夏の約1カ月間、学生の引率で祖国を訪問した。約2年ぶりの街並や風景から、祖国の人民に以前以上の明るさと活気が満ちている印象を受けた。特にそれを、楽観的な展望と前進への確信を語る祖国の大学生たちとの交流…