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〈本の紹介〉「たった一度の物語ーアジア・太平洋戦争幻視片」/石川逸子著

旧「満州」からの逃避行/従姉たちは敗戦の軍人たちの指揮で一団となり/暗い 密林を必死に歩いていました 「母ちゃん 足が痛くてもう歩けないよう……」/従兄弟の知人の小学一年生の娘が/泣き叫びます ふりむ…

〈本の紹介〉辺見庸著「国家、人間、あるいは狂気についてのノート」を読む/ 河津聖恵

「内面化された『私達のファシズム』」をあぶり出す」 大震災以後この国では、表層と深層、国家と人間、身体と心、言葉と意味の乖離が、もはや止めようもなく進行している。深層が表層を突き破り、新たな災厄や戦争…

〈本の紹介〉金光烈著「内鮮融和」美談の真実ー戦時期筑豊・貝島炭礦朝鮮人強制労働の実態

歴史の事実から目を背けるな 齢86の金光烈さんの著書、「内鮮融和」美談の真実―戦時期筑豊・貝島炭礦朝鮮人強制労働の実態―が緑蔭書房から出版された。 心血を注いだ著者渾身の労作である。

〈本の紹介〉姜信子、ザーラ・イマーエワ著「旅する対話 ディアスポラ・戦争・再生」

明日を生きる人たちの運命の軌跡 これは、在日三世の作家である姜信子さんと、チェチェン人映像作家であり、国際アートセラピーセンターDiDi創立者のザーラ・イマーエワさんによる対話の記録。朝鮮とチェチェン…

〈本の紹介〉山花郁子著「アジア・子どもの本紀行」

子どもの本で平和を作ろう 80歳の児童文学者と18歳の孫娘とのはじめてのベトナム・カンボジアへの旅行記。名所をめぐりながら、子どもに読んでもらいたいアジア関係の本をブックガイドする。そして長年図書館員…

〈本の紹介〉山川修平著「白磁の画家-芳醇にして強靭なる呉炳学の世界」を読む

「心に残る一冊、素晴らしい本」である。読後、私はこの感動はどこから来るのであろうかとふと考えた。2点あると思う。一つはこの本の対象であり、主人公である呉炳学の人生にあるといえるのではないか。もう一点は…

〈本の紹介〉「足立から見た在日コリアン形成史」姜徹著

「済州島」と「足立」から紐解く 朝鮮史研究の第一人者である歴史家・中塚明さんは、「ミクロとマクロの往復は歴史家の仕事の根幹をなす研究方法」であると述べている。そして、歴史研究にあたっての戒めとして、ど…

〈本の紹介〉青柳優子訳「白石詩集」

透明な叙情と日帝支配への抗拒 日本で最も広く知られている朝鮮詩人は尹東柱であろう。この詩人は日本人の愛好者も多く各地で作品の朗読会が、しばしば開かれている。その尹東柱が敬愛し影響された詩人が、ほかなら…