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〈本の紹介〉日本型ヘイトスピーチとは何か/梁英聖著

最も危険なレイシズム暴力 「戦後70年たったいまもなお、法律レベルで公認された権利がほぼないまま、レイシズム状況に自分たちがおかれていること。このことを痛烈に自覚しつづけざるをえないからこそ、在日コリ…

〈本の紹介〉ルポ 思想としての朝鮮籍/中村一成著

胸打つ人間のありよう 本書は植民地時代の末期から在日朝鮮人として生きてきた6人の識者の語りを著者がまとめたユニークな一冊である。 著書「生きることの意味」で知られる作家・高史明は、少年期は国語を奪われ…

〈本の紹介〉失われたもの/斎藤貴男著

自らの根っこ掘り下げ、会心の庶民史 反骨のジャーナリストとして知られる斎藤貴男氏による初エッセイ集。叙情的なタイトルと装丁を見て、一瞬のうちに現代社会が失ったもの、いや、著者流に言えば奪われたものの数…

〈本の紹介〉飾らず、偽らず、欺かず―菅野須賀子と伊藤野枝/田中伸尚著

国家的虐殺の痕跡克明に 女性の解放と自由を求めペンをとり、声をあげた二人の女性が、時の国家権力によって虐殺された。本書は、大逆事件で刑死した管野須賀子と、関東大震災後の混乱の中で憲兵隊によって虐殺され…

〈本の紹介〉ヘイトデモをとめた街 /神奈川新聞「時代の正体」取材班編

差別に打ち勝つ共生の力 ヘイトスピーチ対策法成立直後の6月5日、風景が変わった。日本全国で吹き荒れたヘイトデモが川崎市中原区で、出発直後に「中止」に追い込まれた。 本書のタイトルは「ヘイトデモをとめた…

〈本の紹介〉ヘイトスピーチはどこまで規制できるか/LAZAK(在日コリアン弁護士協会)編 板垣竜太・木村草太 他著

思考停止の議論を穿つ 特定の人種・民族への差別を扇動するヘイトスピーチは「どこまで」規制できるのか。 ヘイトスピーチが社会問題化し数年、法規制についてされる議論のほとんどは「表現の自由」の壁の前で思考…

〈本の紹介〉平和なき「平和主義」/権赫泰著、鄭栄桓訳

憲法は強力な軍事力隠す「麻酔剤」 本書のタイトルにまず、目を奪われた。平和なき「平和主義」ーー戦後日本の思想と運動。いい得て妙である。まさしく戦後71年の日本を一言で表せばこう表現されるのではなかろう…

〈本の紹介〉永遠の不服従のために/辺見庸アンソロジー

醜い風景の根源を撃つ 戦争、テロ、強者への服従―世界中で荒れ狂う米国のとてつもない強大な暴力と追従する日本の政治。その強大な力に対して作家・辺見庸氏の腹の底から噴き上げてくる激しい憤りをぶつけたのが「…