
〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 17〉閉塞の時代、「不幸な若者たち」/大江健三郎③
2019年11月09日 10:17
「いいか、お前のような奴は、子供の時分に締めころしたほうがいいんだ。出来ぞこないは小さいときにひねりつぶす。俺たちは百姓だ、悪い芽は始めにむしりとってしまう」―1958年発表の、「芽むしり仔撃ち」の一…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 16〉かつてと現在の危うさ、未熟さ/大江健三郎②
2019年10月05日 09:00

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 15〉再録・再読される「性」と「政治」/大江健三郎①
2019年08月23日 09:00

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 14〉在日朝鮮人ハンセン病文学②/人間を、民族を取り戻した歌歌
2019年07月05日 15:51
詩人村松武司が1979年に出した「遥かなる故郷 ライと朝鮮の文学」が今年増補版となり復刊された。同書には在日朝鮮人ハンセン病回復者・歌人金夏日さんのことが書かれている。そして前回紹介した金貴粉著「在日…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 13〉在日朝鮮人ハンセン病文学①/存在証明と尊厳回復のために
2019年06月10日 11:23
国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)の学芸員・金貴粉さんの著書「在日朝鮮人とハンセン病」(クレイン)が刊行された。これまでほとんど知られてこなかった在日朝鮮人ハンセン病患者・回復者の歴史と現在につい…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 12〉逆井聡人「〈焼跡〉の戦後空間論」を読む/「焼跡」「闇市」を読み替える
2019年04月13日 13:43
去る3月17日、東京外国語大学にて「冷戦期東アジアと〈廃墟学〉の射程」という表題のもと逆井聡人(さかさいあきと)著「〈焼跡〉の戦後空間論」(青弓社2018)の書評会が開かれ、筆者も評者の一人として参加…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 11〉帝国日本の侵略的版図を読む/黒島伝治
2019年03月12日 09:00
日本のプロレタリア作家として、すぐれた反戦小説および農民小説を書いた黒島伝治には、シベリア出兵に派遣された実体験から、不合理で非人間的な軍隊への憎悪をこめて書いた「橇」「渦巻ける烏の群」などの代表的作…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 10〉近代日本の罪業を、地の底から撃つ/上野英信
2019年01月29日 09:00
今月15日、松本昌次さんが亡くなった。未来社で編集者を務め、影書房を創設し、花田清輝、埴谷雄高、井上光晴をはじめ戦後文学者の本を多数世に出した功績、時代と社会、政治と文化を射抜く鋭い批評眼から多くを学…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 9〉朝鮮戦争と日本文学⑤小林勝/果たされるべき未来への「架橋」
2018年12月26日 09:00
1971年に45歳の若さで早逝した小林勝は、文字通り生涯をかけ朝鮮と向き合い戦後日本を生きた稀有な日本人文学者であった。 小林の唯一の書下ろし長編「断層地帯」(1958)の冒頭近く、作者の分身たる朝鮮…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 8〉朝鮮戦争と日本文学④松本清張/戦争を隠蔽するものに挑む眼
2018年11月29日 09:00
今年刊行された高橋敏夫著「松本清張『隠蔽と暴露』の作家」(集英社新書2018.1)は、近年ますます再文庫化や新装版化が相次ぎ、テレビドラマ化や再放送、リメイクが繰り返されるなか、松本清張の人生経験と著…