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〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 35〉魯迅文学の読まれ方をめぐって/魯迅①

中国近代文学の古典として、日本で多数翻訳され、1950年代にはじまり70年代以降今日までほとんどの出版社で「国語」教科書に採録され続けてきたことで、「日本語文学」として異例といってよいほど読み継がれて…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 34〉略奪文化財の行方をめぐって/五木寛之

  つい先月の26日、元本紙記者で、植民地期に略奪された朝鮮文化財の調査と返還問題に生涯取り組み続けた、故南永昌氏の遺稿集「奪われた朝鮮文化財、なぜ日本に」出版記念講演「今こそ問う朝鮮文化財…

〈ゆんすんの散歩道3〉アンニョンハッキョ

ダウン症の次男は、朝鮮学校のことを「アンニョンハッキョ」と呼んでいる。 彼にとって最も耳にすることが多く印象的なのが「アンニョン」という響きなのだろう。金曜日の昼下がり、彼が通う日本学校の近くで下校を…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 33〉「個人」が横取りする「身世打鈴」/古山高麗雄④

  古山高麗雄には「身世打鈴」のタイトルで、1970年代後半に何度か南朝鮮を訪れた紀行と、朝鮮や軍「慰安婦」についての考えを綴ったエッセイを織り交ぜた連載があり、80年に単行本化されている。…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 32〉歴史否定を上塗りする「追憶」/古山高麗雄③

近年日本の歴史否認の政治と言説・思想状況を作り出しているのは、「韓日右派ネットワーク」による「和解」や「合意」の合作であるが、日本の左派やリベラル派を名乗るメディアや知識人もこの「韓日合作」の過去否定…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 31〉二人の元戦犯を重ねて考える/古山高麗雄②

古山高麗雄について読み直しこの文章を書いているさなかの3月28日、李鶴来さんの訃報に接した。第2次世界大戦の戦犯裁判でBC級戦犯として一度は死刑を宣告され、有期刑に減刑された後、1956年に仮釈放され…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 30〉何からの「未/復員」なのか?/古山高麗雄①

前回までとりあげた後藤明生とともに「内向の世代」に数えられ、かつ同じく植民地朝鮮出身の作家に古山高麗雄(ふるやまこまお)がいる。1920年新義州生まれ(そこから「高麗雄」と名付けられた)の古山の方が年…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 29〉「実感」の政治と歴史否認の土壌/後藤明生④

後藤明生は少年時代の朝鮮体験、引揚げ体験に基づき、「一通の長い母親からの手紙」(1970)、「挟み撃ち」(73)を書いた後、朝鮮での記憶と現在とを往復する連作を続け、それらは連作小説集「夢かたり」(7…