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〈人物で見る朝鮮科学史 34〉高麗の科学文化(7)

火薬製法に挑んだ崔茂宣 現在世界でもっとも有名な賞といえばノーベル賞であるが、ダイナマイトの発明でばく大な利益を得たノーベルの遺言によって制定されたことはあらためて述べるまでもない。ダイナマイトはニト…

〈朝鮮通信使来聘400年 7〉倭館と出島

外国との貿易の2大拠点 清・朝鮮・日本は、海外貿易を政府が独占し、許可のない海外交流を禁じた。解禁時代である。国を閉ざしたわけではないので「鎖国時代」と呼ぶことは正しくない。 かえって江戸時代の方が、…

〈遥かなる高麗への旅・朝鮮史上初の統一国家 4〉成均館(高麗博物館)/儒教の最高教育機関、新進官僚を多数輩出

千年の歴史、世界最古の大学 開城を代表する古い建物は成均館である。成均館は高麗11代文宗(1046~1083)が別宮に建てたものだが、1089年に最高儒教教育機関である「国子監」(大学に相当)がこの場…

〈遥かなる高麗への旅・朝鮮史上初の統一国家 3〉大覚国師・義天/海東天文宗を創始、一大隆盛期に

仏教を基層に精神生活、豊潤な高麗文化花開く 太祖王建は、子孫に統治理念と方向をしめした「訓要十条」の最初の項目に「我々の国家大業は必ず諸仏のご加護によるもの」であるとし、仏教を国家的宗教として位置づけ…

〈人物で見る朝鮮科学史 33〉高麗の科学文化(6)

綿の栽培で功績挙げた文益漸 14世紀まで朝鮮の衣服の主流は麻であったが、保温性の優れた綿によって衣服革命をもたらした人、それが文益漸である。1329年に貧しい両班の家に生まれた文益漸は、農業に従事して…

〈遥かなる高麗への旅・朝鮮史上初の統一国家 2〉太祖・王建/朝鮮の戦国、後三国時代を制す

高句麗を継承、渤海遺民を受容 918年6月15日、太祖王建は鉄原(江原道・38度線の南)弓裔の故宮・布政殿で王位に付き高句麗を継承する意味で国号を「高麗」とし、年号を「天授」と定めた。 新羅は29代武…

〈人物で見る朝鮮科学史 32〉高麗の科学文化(5)

世界でもっとも美しい高麗青磁 東京・南青山は都心の一等地として知られているが、その一角に有名な根津美術館がある。根津美術館は東洋古美術品を幅広く所蔵しているが、なかでも「青磁蓮唐草文浄瓶」は高麗青磁の…

〈遥かなる高麗への旅・朝鮮史上初の統一国家 1〉古都・開城/千年の歴史刻む

輝かしい文化 分断後初、統一列車の試運転 今、朝鮮半島のほぼ中央38度線の南に位置する開城が世界の耳目を集めている。5月17日、北と南をそれぞれ出発した京義線と東海線の列車が、朝鮮半島を横切る軍事境界…

〈朝鮮通信使来聘400年 6〉江戸の学問と政治理念

文武忠孝を励し、礼儀を正す 「日本の武士は、戦国時代では『切り取り強盗は武士の習い』という言葉のとおり、文化や道徳とは縁遠い野蛮人であった」(「漢文の素養」加藤徹) 天下を平定した徳川家康は、武力に代…

〈人物で見る朝鮮科学史 31〉高麗の科学文化(4)

版画の手法を生かした良質の高麗紙 朝鮮が世界に誇る高麗の金属活字印刷であるが、そのためには解決しければならないくつかの問題があった。まずは、金属活字それ自体を鋳造する金属加工技術である。古代から新羅に…