公式アカウント

短編小説「幸福」21/石潤基

私は論告でも聞いている人間のように息を殺して淡々と語る友人の声に耳を傾けていた。そして玉珠という未知の女性をひとりで頭の中に描いてみた。どこか僕が取材中に出会った千里馬騎手たちの、燦然と光を放つ素晴ら…

代を引き継いで歴史を後世に/愛知で追慕祭

「寃死同胞慰霊碑」建立73周年および関東大震災98周年記念追慕祭が1日、名古屋市千種区の覚王山日泰寺で行われた。9月1日は建立日である。

短編小説「幸福」20/石潤基

「きみは、それだからいけないと言うんだよ。自分の仕事さえうまくいけば、それでおしまいだと思っている。首相同志のおられる平壌の復興ぶりや、国民経済のすべての部門で、3カ年計画がどのように進んでいるのか、…

公権力の歴史認識に警鐘/日朝学術交流会が2つの声明発表

日本朝鮮学術教育交流協会(藤野正和会長)が、群馬朝鮮人労働者の追悼碑訴訟東京高裁判決に対する抗議声明(8月27日)および東京都の小池百合子知事に対する朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文に関する要望書(6日…

〈関東大震災98周年追悼式典〉「恨」晴らし、責任果たす/群馬・成道寺

日朝友好連帯群馬県民会議と「藤岡事件を語り継ぐ市民の会」(「市民の会」)が共催する関東大震災朝鮮人犠牲者98周年慰霊祭が11日、群馬県藤岡市の成道寺で行われた。総聯群馬県本部の李和雨委員長をはじめとし…

短編小説「幸福」19/石潤基

包帯をほどいてみて、予想以上に症状が悪いことを確認した僕は、非常に暗い気持ちに襲われた。率直に言って、その時の僕の診断は、治すのは難しいということだった。だが、何気ない顔をしていると当人はかえって平然…

〈学美の世界 33〉子どもたちの嬉しい「裏切り」/文真希

作品を創作する子どもたちの表情は大人顔負けの真剣さだ。五感で得た喜びや感動を「表現」というアプローチで仕掛け、納得するまで求め抜く。社会で積まれた既成概念でもがいている私たち「大人」は、良かれと思い子…

短編小説「幸福」18/石潤基

しばらく息をついた僕は言葉を続けた。 「玉珠さん、いつか機会があったら、僕がなぜ、そのとき変な顔をしたのかお話しましょう。遠からずそんな機会も来るでしょう。きっと来ますとも」 僕の謎のような答えを聞く…