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〈朝鮮と日本の詩人 86〉内田博

祖国愛は火となって あの朝鮮のこどもらは わずかな焚火や食料を背にして 折れるほど腰を曲げて 泥濘のみちを追われていた。 住家も樹々も焼けただれた祖国を まるで野良犬のように追われていた。 あのくらい…

〈朝大・朝鮮自然博物館 9〉大同江小動物・幼生~成体の成長記録標本

二枚貝、巻貝、甲殻類 前回、朝鮮自然博物館の「大同江魚類標本」にある魚の標本をいくつかピックアップして紹介した。その標本たちが朝鮮大学校に贈られてきたのはちょうど10年前。実はその1999年から3年間…

〈若きアーティストたち 63〉アイブロウ&アイリスト・田蓮娥さん

「美しくありたい」というのは、多くの女性の望みだろう。そのため、「メイク」という工夫を一つも二つも顔に加える。 しかし、「眉やアイラインがうまくひけない」「朝のメイクに時間をかけたくない」「スポーツで…

〈朝鮮と日本の詩人 85〉松田解子

ああよい民族 ああよい国朝鮮 鉈豆袖の朝鮮乙女が 胸をおどらせる くねる乙女の全身に にくしみはゆすぶられ つらみはとかされ なつかしみはあふれてくる ああよい民族 よい国朝鮮 鉈豆形の袖から すきと…

〈朝鮮と日本の詩人 84〉島梯二

「柳よ なびけ この道に」 ガチンと つるはしがはねかえる 石ころだ ガチンと つるはしがはねかえる コンクリートのかけらだ   この道に ぼくらはいま柳をうえるこの道は潮のにおいがする 新…

〈民族楽器のルーツをたどる・ウリナラの楽器 10〉蟹降、螺角、笙簧

農楽の始まりを告げるラバル、日本の雅楽との関わりも 今回は管楽器のルーツを隣国に及ぼした影響を考えながらたどることにしよう。 まずはわが国で唯一とされている金管楽器、ラバルの紹介。 この楽器は楽器作り…

〈朝鮮と日本の詩人 83〉高橋新吉

ファラオの王冠に勝る輝き 鹿の角と樹の枝形の立飾りに歩瑶が飾ってある 金冠の二つの垂飾には小鈴がついている エジプトのファラオの黄金のマスクにも勝る貴やかさ どの勾玉にも芋虫の目のような孔がある 勾玉…

〈遺骨は叫ぶ 24〉山口県・東見初炭鉱

理不尽な暴行に決起、危険な作業に実働12時間、特高が監視 山口県宇部市にある宇部興産の傘下にあった沖ノ山炭鉱と東見初炭鉱(1944年に沖ノ山炭鉱に合併)は、早くから開発された炭鉱だった。いまからおよそ…