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〈朝鮮と日本の詩人 60〉上林猷夫

強くこみ上げてくるもの 私は百貨店の廂の下でバスを待っていた。 省線に跨る陸橋の仮橋。 蒸気ハンマアの地響きが絶えず甲高く落ちてくる。 板囲いに沿ってひっきりなしに人が続いて出たり行ったりごった返して…

〈関東大震災下の朝鮮人虐殺問題 5〉内務省の組織的伝播で自警団発生

(3)流言の伝達 大震災の朝鮮人虐殺事件でまず問題になるのは、大虐殺の直接の契機となった「朝鮮人暴動」流言は誰の発想になり、誰が発布し、どう伝達されたのか、ということである。 ■

〈みんなの健康Q&A〉C型慢性肝炎(上):症状と治療

HCV感染 30~35年で発ガンの危険 C型肝炎ウイルス感染者は日本国内で200万人とされ、その多くが慢性肝炎患者であることから、C型肝炎は日本の「国民病」とされている。 一方、朝鮮や日本を含む東アジ…

〈朝鮮服飾ものがたり 72〉緞衣

舞台服飾のひとつで、冬季の上着である。 緑色のシルクまたは、黒くて薄いシルクで作った。中には白草、藍草を着た。 袖口には5色の汗衫をつけ、帯を前から後ろに巻いた。 赤いシルクのチマをつけ、頭には蛤笠を…

〈人物で見る朝鮮科学史 61〉ハングルと死六臣(4)

一流の学者で権力者、申叔舟 死六臣は、日本でいえば赤穂浪士の討ち入りのような話として小説やドラマにもなっているが、とくにリム・ジョンサン「삭풍 (北風)」(文学芸術総合出版社)は作者が歴史学者という異…

〈民族楽器のルーツをたどる・ウリナラの楽器 4〉奚琴(ヘグム)

金、石など八つの材料で製造、女性好みの哀切あふれる音色 今回は奚琴(해금)を紹介しよう。 朝鮮では「ヘグム」(혜금)、または「ケグム」と呼ばれ、中国・元朝の時代には「胡弓」と呼ばれた擦絃楽器。地域によ…

〈朝鮮の風物・その原風景 11〉酒幕

民衆の喜怒哀楽映す酒文化 李朝風俗画の双璧と謳われる金弘道と申潤福の酒幕の絵は、同じ酒場に材をとりながらもそれぞれ異なった「世界」を描く。申潤福の「酒肆挙盃」が、暇を持て余し気味の両班と下級官吏を相手…

〈続・遥かなる高麗への旅・朝鮮史上初の統一国家 2〉民衆の決起、新政府を樹立

蒙古の侵略阻止、抵抗の砦は「三別抄」 高麗時代、約1世紀にわたり武人政権(1170・毅宗24年~1270・元宗11年)という特異な政権が続いた。文人の下に位置づけられた武人たちはその不満を爆発させ11…