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〈朝鮮服飾ものがたり 75〉芙蓉冠

舞童がかぶった冠帽で、公演時の物と、会礼宴(朝鮮朝時代、正月や12月に文官・武官が一堂に会して行われた宴会)時の物とは違うものが使われた。 (出展「李朝服飾図鑑」=朝鮮文学芸術総同盟出版社、1962年…

〈朝鮮服飾ものがたり 74〉處容紗帽、トンリョン花冠

處容紗帽(チョヨンサモ)は、處容舞を舞うときに處容仮面とともに使った。竹を組んで形を作った後、紙を貼って方位に合わせた色の花を描いた。帽子の上には牡丹の花と、桃の枝についた赤い桃を装飾した。 トンリョ…

〈朝鮮と日本の詩人 61〉信夫澄子

君ら一筋に自由な祖国へ 祖国朝鮮へ帰る その姿 〈見送りにきました〉 知る顔なけれど きみらの親を仲間を虐殺した この国に 別れを惜しむことがあろうか 平壤駅の柵ひえびえと ありし日の 日本軍隊の威嚇…

〈朝鮮服飾ものがたり 73〉處容衣

舞台服飾のひとつで、處容舞を舞うときに着た。 この衣装は、東西南北および中央の五方色を象徴してシルクで作られた。 前身ごろの裾は短く、後ろは長い。襟は丸くて広い。胸元は四角く、長く作られた。 前身ごろ…

〈朝鮮史から民族を考える 22〉植民地期の朝鮮人史学者たち(下)

学問の現実認識・参与の大切さ 震檀学会と朝鮮学運動 震檀学会は歴史学・民俗学・言語学・国文学など広い研究分野を対象にした朝鮮人の学術団体である。李丙燾を中心とする「実証史学」系の人々が主流を占め、「民…

〈朝鮮と日本の詩人 60〉上林猷夫

強くこみ上げてくるもの 私は百貨店の廂の下でバスを待っていた。 省線に跨る陸橋の仮橋。 蒸気ハンマアの地響きが絶えず甲高く落ちてくる。 板囲いに沿ってひっきりなしに人が続いて出たり行ったりごった返して…

〈朝鮮史から民族を考える 21〉植民地期の朝鮮人史学者たち(上)

「民族史学」の創始者、申采浩 朝鮮人不在の近代朝鮮史学史 従来、長年にわたって、朝鮮近代歴史学の成立は、植民地期の日本人研究者によってなされたと考えられてきた。いわば、朝鮮人不在の近代朝鮮史学の形成と…

〈人物で見る朝鮮科学史 62〉中世末期の科学文化(1)

任元濬、天然痘の知識を整理 朝鮮王朝時代は壬辰倭乱を境に前期と後期に分けられる。前期の科学文化は世宗時代があまりにも華々しいので、その後の発展がかすんで見える。しかし、科学が蓄積されて伝承される知識で…