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在日の夫婦のかたち/金里枝

在日朝鮮人社会の中には、KYCや同胞組織に尽力する男性たちを支える妻たちがいる。朝鮮学校に子どもを通わせるため、毎朝早く起きて弁当を作り、駅までの送迎、また給食当番や行事のために休みを取るのも一苦労だ…

恩師との約束/李仙香

私は「書くこと」が苦手だ。それは今も昔も変わらない。それでも、学生の頃、教員だった頃、子育ての最中―人生の折々に何かに出会ったとき、「いまこの瞬間、この気持ちを書き留めておきたい」と思うことがある。 …

継承と創造/梁淑子

3年間に及ぶ大阪中高オモニ会会長の任期が満了した。黄昏音楽会や学校創立70周年記念行事、新校舎で使う机と椅子、保健室の備品をプレゼントするために立ち上げた「プロジェクト」、花園校舎ラストイベント「感謝…

矛盾とともに/曺洋哉

これから先の未来、両親がともに在日朝鮮人というバックグラウンドを持った同胞青年は減っていくのだろうかと、ふと考えたりする。 在日同胞と日本人の結婚…。確信とまでは言わなくても

チェサという時間/金里枝

嫁いで驚いたのは、大晦日から正月にかけて行われる「チェサ(祭祀)」という祭事だった。朝から晩まで続く料理作りや親戚、来客のもてなしは、実家では経験のない文化で、当時21歳だった私は年末年始が嫌になるほ…

まだまだ娘でいたい/李仙香

私は幼い頃から、5月が好きだ。アボジの誕生日が5月1日、その翌日がオモニの誕生日。5月は母の日もある。 うちのオモニは今年78歳になった。娘の私から見てもキレイでおしゃれ、そして好奇心旺盛。今も昔も憧…

脈々と受け継がれるもの/梁淑子

私が住む大阪では今「万博」がアツい。今回の万博は、一人ひとりが互いの多様性を認め、「いのち輝く未来社会のデザイン」実現を理念としているそうだ。この理念を脈々と未来へ受け継ぐために、何とも不気味な公式キ…

親友とは何だろう/曺洋哉

親友とは、友情とは一体何だろう。恥を忍んで表明すると、私は友だちと呼べる人間が少ない。帰省するたびに母親から「あんた友達おんの?」なんて聞かれる始末だ。 留学同で活動していた学生時代、親友(同志という…

子に生かされて/金里枝

若くして結婚し、東京から群馬に嫁いできた私は、まるで異国に足を踏み入れたようだった。各地から学生が集う朝大に通っていたら、どの地域でも、すんなり溶け込めただろうかという不安な気持ちは、家族や友人に囲ま…

大運動会に行こう!/李仙香

青商会が「大運動会」を企画してるみたいだという話を聞いたのは1年くらい前だっただろうか… 京都同胞社会に笑顔と元気を、子どもたちに京都同胞社会のパワーを見せてあげたいという府青商会会長の思いがきっかけ…

“遅い春がやってきた”/梁淑子

2025年4月18日。大阪中高新校舎にて2025年度入学式が行われた。 こんなにも「春」が待ち遠しかった年はない。春の代名詞と言えば桜だが、桜の開花は本格的な春の訪れを告げてくれる。夏になると翌春に向…

ウリハッキョを羨望して/曺洋哉

日本人の父、在日朝鮮人の母を持ち、大学まで日本学校に通っていた私にとって、在日朝鮮人としてのアイデンティティーは、あまりにも脆く頼りないものであった。今思えばこの消化し切れない孤独と葛藤を発散するため…

母である限り/金里枝

とある温泉地での出来事だった。温まった身体で、服を着ようとロッカーに向かうと、突然の怒鳴り声が響いた。「なんでお母さんがそんなことまでやらなきゃいけないの!」と激しい剣幕で怒る母親と、泣きじゃくる5歳…

成し遂げた夫婦の目標/李仙香

この度、21年ぶりに「それぞれの四季」に寄稿することになった。 21年…あっという間だったと言いたいところだが、振り返ってみれば一日、一週間、一カ月、一年…いろんなことがあった。いや、あり過ぎた。たく…

原点、そして未来へ/朴信陽

16日に、千葉初中の卒業式が行われた。前年度に私が担任を務めたクラスの生徒たちが、愛する学び舎を巣立った。私にとって、「教え子」を送る初めての卒業式となった。

希望をもたらす存在に/姜希純

弁護士になるためには、1年間の実務修習を経る必要がある。修習では、弁護士だけでなく、裁判官や検察官の職務も経験する。私も大阪で1年間修習に取り組んできたが、それも終わりに差し掛かり、4月からはいよいよ…

感謝/趙晃來

私と妻は同じ日本の大学の寮で暮らしていた。お互いに大学時代は特に接点があったわけではなく、名前と顔が一致する程度しか知らなかった。しかし卒業後、偶然にも同じ町で暮らしていて、駅前のコンビニで再会。それ…

異郷で抱いた誇り/夫星琴

海外でボランティアをしようと決めた理由は、「人助けをしたい」でも「新しい生活を始めたい」でもなかった。在日朝鮮人の存在を知ってもらい、ウリハッキョのことを伝えたかった。それを聞いた人々がどんな反応を示…

あふれでる「心の叫び」/朴信陽

私は中級部からウリハッキョに編入した「編入生」である。そんな私が朝鮮学校に通いたいと思ったきっかけは、神戸初中のバザーに訪れた際、朝鮮舞踊を踊る色とりどりのチマ・チョゴリ姿を見たからであった。 入学式…

祖父の思い/姜希純

司法試験を乗り越えるにあたって、私にはもう一つの原動力があった。それは、一世である祖父の存在だ。 祖父といえば「勉強」だ。読書が大好きで、新聞は隅から隅まで目を通し、入学式の度に私が持ち帰った教科書で…