
原点、そして未来へ/朴信陽
2025年03月24日 09:00
16日に、千葉初中の卒業式が行われた。前年度に私が担任を務めたクラスの生徒たちが、愛する学び舎を巣立った。私にとって、「教え子」を送る初めての卒業式となった。

希望をもたらす存在に/姜希純
2025年03月15日 08:00
弁護士になるためには、1年間の実務修習を経る必要がある。修習では、弁護士だけでなく、裁判官や検察官の職務も経験する。私も大阪で1年間修習に取り組んできたが、それも終わりに差し掛かり、4月からはいよいよ…

感謝/趙晃來
2025年03月09日 10:00
私と妻は同じ日本の大学の寮で暮らしていた。お互いに大学時代は特に接点があったわけではなく、名前と顔が一致する程度しか知らなかった。しかし卒業後、偶然にも同じ町で暮らしていて、駅前のコンビニで再会。それ…

異郷で抱いた誇り/夫星琴
2025年03月02日 08:00
海外でボランティアをしようと決めた理由は、「人助けをしたい」でも「新しい生活を始めたい」でもなかった。在日朝鮮人の存在を知ってもらい、ウリハッキョのことを伝えたかった。それを聞いた人々がどんな反応を示…

あふれでる「心の叫び」/朴信陽
2025年02月24日 09:00
私は中級部からウリハッキョに編入した「編入生」である。そんな私が朝鮮学校に通いたいと思ったきっかけは、神戸初中のバザーに訪れた際、朝鮮舞踊を踊る色とりどりのチマ・チョゴリ姿を見たからであった。 入学式…

祖父の思い/姜希純
2025年02月17日 09:00
司法試験を乗り越えるにあたって、私にはもう一つの原動力があった。それは、一世である祖父の存在だ。 祖父といえば「勉強」だ。読書が大好きで、新聞は隅から隅まで目を通し、入学式の度に私が持ち帰った教科書で…

トルリムチャ/趙晃來
2025年02月11日 08:05
1月29日、SNSやメールでお祝いのメッセージが届いた。朝鮮はこの日、「ソルナル」と呼ばれる旧暦のお正月であるからだ。民族伝統の祝日を迎え、ふと故郷での温かい記憶が蘇った。 私が初めて故郷を訪れたのは…

異邦人の「ウリハッキョ」/夫星琴
2025年02月02日 09:00
北アイルランド紛争による暴力や分極化に苦しむ個人やコミュニティを支援する施設でボランティアとして活動する中、学生、教育、地域、移民など、さまざまな背景を持つ団体の人々と接する機会を得た。特に、統合教育…

「ながた」の灯のように/朴信陽
2025年01月27日 09:00
1995年1月17日。阪神淡路大震災が起きたこの日は、多くの人にとって忘れられない、忘れてはいけない、そんな日である。 千葉初中で教壇に立って、早2年が経とうとしている。冒頭の日になれば、私は特に自分…

原動力/姜希純
2025年01月20日 09:05
司法試験合格までの道のりはとても長かった。できない自分に腹が立ち、悔しくて涙を流したこともあった。 そんなときに私の背中を押してくれたのは、ウリハッキョであった。 道を見失いかけたときに

過去に思いをはせる/趙晃來
2024年12月22日 08:00
12月初旬、演劇やミュージカルが好きな妻の希望で、東京中高で行われたマダン劇を観に行ってきた。瀬戸内海に浮かぶ長島という小さな島にあるハンセン病患者の隔離施設「長島愛生園」に暮らすおっちゃん・秋やんと…

リバプールでの悲劇/夫星琴
2024年12月14日 08:00
休暇を利用して英国内を旅行したが、特に印象深かった都市はリバプールだ。ビートルズやサッカーで有名な港町。赤レンガ造りの建物がヨーロッパらしい趣を漂わせるこの町で、私は市民と警察が激しく衝突する場面に遭…

「ウリ」について/朴信陽
2024年12月09日 09:00
2013年の春、期待に胸を膨らませながら神戸初中の校門をくぐった。 ピカピカの中級部1年。日本学校からの編入生で、右も左も分からない私に、トンムたちが親切に接してくれた。 例えば教科書を読むとき。ウリ…

踏ん張りどき/姜希純
2024年12月02日 13:54
朝鮮大学校を卒業した私は、司法試験の受験資格を得るため、慶應義塾大学の法科大学院、いわゆるロースクールに入学した。見るからに頭の良さそうな同期、難しい授業、留年の危機と隣り合わせの期末試験。何度も挫折…

釣りを通じた出会い/趙晃來
2024年11月22日 09:30
コツン、コツン。竿先から感触が伝わってくる。 (まだまだ、今じゃない) グ、グ、ググググ。竿先がグーンと引きこまれる。 (よし、今だ!) タイミングを合わせて振り上げた竿からは、海中で暴れるタチウオの…

音楽の息吹/夫星琴
2024年11月14日 07:00
北アイルランドの多くのパブでは、週末になると生演奏のセッションが開かれ、音楽が人々の生活に溶け込んでいる。先日、ふと立ち寄ったベルファストのアイリッシュパブで、隣に座った常連客が「今日は少しいつもと様…

「音」を奏で日々を彩る/朴信陽
2024年11月11日 08:00
私は神戸初中・中級部から朝鮮大学校までの10年間、吹奏楽部に所属した。フルートと共に過ごした青春の日々に思いを馳せながら、あの頃を思い出したことも1度や2度ではない。しかし教員になってからは時間や場所…

葛藤と気付き/姜希純
2024年10月29日 10:32
朝鮮大学校政治経済学部に在籍時、私は、学べば学ぶほど、自分の進路に疑問を抱くようになった。地域の活動家や朝鮮学校教員の数が足りないという現実を目の前にして、私が弁護士を目指してよいのだろうか、弁護士に…

西東京の潜在力/趙晃來
2024年10月21日 09:10
「ウリ民族フォーラム2024 in西東京」の開催地、J:COMホール八王子にはウリハッキョを支える多くの同胞と日本の支援者たちが集まっていた。 フォーラムのステージは西東京第1・第2初中の児童・生徒た…

言葉の壁/夫星琴
2024年10月05日 09:00
「かれらが私たちの言葉を理解しないのは、かれらが私たちの言葉を聞いていない、それがかれらの問題である」(映画『ベルファスト』より) 英国とアイルランド共和国が領有権を主張する北アイルランド(アイルラ…