公式アカウント

文科省へ尋問、違法性明らかに/東京無償化裁判第12回口頭弁論、4月に結審

2016年12月14日 13:37 主要ニュース
裁判の後に、文京区民センターで開かれた報告集会

裁判の後に、文京区民センターで開かれた報告集会

朝鮮学校の生徒に就学支援金を支給するための根拠規定となる「規定ハ」を国が削除したことが違法だとして、東京中高の生徒62人(2014年2月17日当時)が、国に損害賠償を求めた無償化裁判の第12回口頭弁論が13日、東京地裁の103法廷で行われた。傍聴券を求めて218人が詰めかけた。

被告・国側からは、2012年12月の第2次安倍政権発足直後、下村博文・文科大臣(当時)に朝鮮学校への審査状況などを報告し、「規定ハ」を削除するための省令改正案作成を部下に命じた文科省初等中等教育局主任視学官(当時)、そして上司の指示を受けて省令改正案を作成した文科省修学支援室係長(当時)ら2人の文科省職員が証人として法廷に立ち、尋問を受けた。無償化裁判が各地(東京、愛知、大阪、広島、福岡)で行われているなか、文科省役人の証人尋問が行われたのは今回が初めて。原告側の証人が法廷に立つということもあり、他地方の無償化裁判弁護団メンバーも傍聴するなど注目を集めた。

一方の原告側からは、提訴時に朝高生だった原告の2人が証人として法廷に立った。

文科省への証人尋問は、弁護団長の喜田村洋一弁護士が担当。朝鮮学校をはずすために無償化法の趣旨や法律を無視して、省令改悪を行った文科省の違法性を問いただした。喜田村団長は、下村議員が大臣就任直後の記者会見(2012年12月28日)で「朝鮮学校については拉致問題の進展がないこと、朝鮮総聯と密接な関係にあり、教育内容、人事、財政にその影響が及んでいることなどから、現時点での指定には国民の理解が得られず、不指定の方向で手続を進めたい旨を提案したところ、総理からもその方向でしっかり進めていただきたい旨の御指示がございました」と述べた発言などを引用しながら、国は政治的、外交的観点から、朝鮮学校排除という「結論ありき」で省令を改定し、朝鮮学校の不指定処分を行ったのではないかと追及。これに対し、被告側証人は、「規程13条に適合すると認めるに至らなかった」ことが、不指定の理由だったと返答した。

Facebook にシェア
LINEで送る