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〈朝鮮大学校朝鮮問題研究センター〉同志社、立命館両大学のコリア研究センターと「学術交流協力協定書」結ぶ

2012年07月18日 15:21 主要ニュース

相互関係の促進

朝鮮大学校朝鮮問題研究センターは7月10日、同志社大学コリア研究センター、立命館大学コリア研究センターと各々「学術交流並びに協力のための協定書」を締結した。朝鮮大学校が日本の研究機関と学術協定を結ぶのは初めてのことである。

立命館大学で

同日午前11時から同志社大学今出川キャンパス博遠館のコリア研究センターにおいて、康成銀朝鮮問題研究センター長と太田修同志社大学コリア研究センター長が協定書を交わした。午後4時からは立命館大学衣笠キャンパス修学館にあるコリア研究センターで康センター長と勝村誠立命館大学コリア研究センター長が協定書を交わした。

今回結ばれた協定の趣旨は、両研究機関の相互関係を促進し、教育と研究その他の学術分野における交流を発展させることにある。

両機関は協定書において具体的な提携内容を、①コリア学関連分野に関する学術関係行事の共同企画と開催、②コリア学関連資料の共同調査並びに情報共有、③コリア学関連研究に従事する人材の相互交流、④コリア学関連刊行物の相互交流、⑤その他相互協力に必要な事業につて相互協議して遂行していくことと定めた。

昨年11月に設立された朝鮮問題研究センターは、朝鮮大学校が朝鮮問題研究、海外同胞研究の拠点となることを目指し、①朝鮮と海外同胞を主テーマにした朝鮮問題研究、②学術及び教育交流、③関係資料と情報の蓄積、④地域社会との文化交流、の事業内容を柱にして活動している。

協定書の締結は、同研究センター事業の一環として行われたものである。同研究センターでは、二校以外にも今年4月、京都のコリア学の研究者が立ち上げた「京都コリア学コンソーシアム」(同志社大学コリア研究センター、立命館大学コリア研究センター、京都大学朝鮮・韓国学教育研究ネットワーク、佛教大学韓国・朝鮮学研究者ネットワークが加盟)への参加を表明しており、国内の様々な研究機関・研究ネットワークとの学術交流協定も視野に入れている。

北南朝鮮、中国、米国とも

同志社大学で

また、日本以外にも提携協定を広げ、北南朝鮮の大学、研究機関との提携、海外では中国・延辺大学や米国・ハワイ大学との交流の可能性を探っている。

協定に基づく最初の共同企画としては、今年の秋、立命館大学コリア研究センターともう一つの大学を加え、「海外コリアンの民族文化と統一意識」というテーマで国際シンポジウムを共催することを目指している。

朝鮮問題が朝鮮半島、東北アジアのみならず世界的にも重大な関心を集めている中、従来から朝鮮問題研究で重要な役割を期待されてきた朝鮮大学校が、朝鮮問題に関わる内外の研究者、研究機関と研究・教育提携協定を結び、外に開かれた交流を進めるきっかけをつくったことは大変意義深いことである。

同研究センターには、現代朝鮮研究室、朝鮮文化研究室、民族教育研究室、在日朝鮮人関係資料室の4つの研究セクションがあり、各々研究室活動を開始している。また、今月7日には研究センターの企画第一弾として「在日朝鮮人関係資料収集保存の現況と課題」をテーマにしたシンポジウムも開催した。

今後、同研究センターが、地道な研究と意義ある研究成果を生み出し、朝鮮問題研究の拠点として活動していくよう各方面から期待と注目が集まっている。

(金哲秀 / 朝鮮大学校朝鮮問題研究センター付属在日朝鮮人関係資料室室長)

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