〈朝鮮紀行《食》 28〉高麗人参
2016年10月13日 14:17 主要ニュース生薬の王様たる威厳
開城といえばなんといっても「高麗人参」が有名である。太古から萬病薬として人々の健康を保ち、特にここ400年の歴史においては高麗人参をもって「高麗」という名を世界に広めたとして知られている。
高麗人参の薬効は多岐にわたり、今でも研究がすすめられ人工栽培にも成功した例が多く発表されている。その加工品なるもの数知れない。
ここ数年日本では朝鮮からの物資輸入がぜいたく品とみなされ、貴重で高級な開城産高麗人参がほとんど見られなくなった。かろうじて一部地域で人工栽培された人参と「中国産の高麗人参」が高値で売られている。この貴重な高麗人参の薬効を知っている人たちは朝鮮産となるとのどから手が出るほどほしいはずである。最近その効能、栽培、歴史等をわかりやすく解説した「高麗人参の世界」(洪南基著)に出合い、霊薬、仙薬とする所以を知り、朝鮮伝統の薬材を持つ民族の誇りを強く感じた。