〈それぞれの四季〉彼に出会って/任孝心
2016年03月07日 11:18 コラム支部の専任として働くようになってから出会いの幅が広くなった。
専従活動1年目、学校での対外公開授業の日、学生服を着た一人の見知らぬ男の子を見つけた。朝青トンムかな? と興味を示した私はさっそく声を掛けた。するとびっくり。彼は福井県から来た日本の大学生だった。「朝鮮」に興味があるという彼は朝鮮学校の存在に気づき、どんなものかと知りたくて南大阪初級の公開授業の場に足を運んだという。それが出会いのきっかけ。私はもっといろんな朝鮮学校の風景を見てほしいと話した。
その後、彼は春夏秋冬、あらゆるイベントに参加するようになり、朝青トンム達や同胞達と親密な関係になっていった。みんなは彼を近藤君と呼ぶ。彼と出会い、もう3年が経つ。大学卒業を目前にした近頃、彼から嬉しい話が聞けた。大学のゼミで学生生活の振り返り発表の場で自分は朝鮮学校との関わりについて話したい。との事。と同時に3年間分の活動をまとめた映像も送ってくれた。彼から見えた朝鮮学校、在日同胞社会は民族の誇りにあふれ、温かいものだったという。
今までは朝鮮学校にただ興味があり関わってきた彼だが、大学卒業と同時に朝鮮学校を支える何らかの会に所属したいとの希望を持っている。彼と出会えて気づかされたことがある。誰だって組織や運動に関わる事が出来る。ただ、どんな形でどんな気持ちを持って関わるのかがもっと重要なのかを。
(大阪府在住、支部活動家)