〈取材ノート〉ラガーマンの涙
2015年09月25日 14:15 コラム スポーツ彼らは楕円球を追い続けていた。2年前のラグビーフェスティバル(愛知)で取材した創部2年目の愛知中高中級部ラグビー部員たちが、京都で行われたフェスタ(8月)で高級部のユニフォームをまとっていたのだ。体は一回り大きくなり、表情には逞しさが滲み出ていた。
2年前まで高級部の部員は7人。長年、日本の高校と合同チームで試合に臨んできたなかでも、OBたちは気持ちも体も全力で、愛するラグビー部にぶつけてきた。部活の指導、合同練習、ウェアの寄贈、激励会、フィジカルトレーニング関連の講習など、サポート活動は多岐に及んだ。
そして情熱は実った。部員数は着実に増加し、今年度から17年ぶりに単独チームとして15人制の公式戦に出場できることに。「選手たちは常日頃からOBたちへの感謝の気持ちを抱いてプレーしている」(金龍炯主将、高3)。
8月23日に行われた創部42周年記念フェスティバルでは、大会史上初めて中級部、高級部、愛知闘球団の試合が行われた。その光景に感極まり、目を赤らめていたOBたちも多かったという。涙の理由は言うまでもないだろう。
今年から地元の豊田自動織機シャトルズでプレーしている同部出身のトップリーガー、徐吉嶺選手もプロ生活の合間を縫って後輩たちを激励し、練習にも参加してきたという。
父母たちは7月に応援横断幕を作成。チーム、父母、OBたちはがっしりとスクラムを組み、足並みを揃えている。横断幕に刻まれているように「一歩ずつ、その一歩は大きく」。
(徳)