戦後70年、朝鮮を訪れた日本の大学生たち
2015年09月14日 15:18 主要ニュース 共和国“出会いは小さな一歩、日朝関係改善につなげたい”
【平壌発=金淑美】朝鮮解放70周年を迎えた8月、朝鮮を訪問して現地の人々とふれあい、日本と朝鮮の間に横たわるさまざまな問題について考えた日本の大学生たちがいた。
「人間らしく暮らす国」
朝鮮大学校と日本の大学の学生たちからなる朝・日大学生友好ネットワークのメンバーである、許貴美さん(朝鮮大学校文学歴史学部2年)と熊迫舞華さん(東京女子大学2年)は、8月27日から9月1日まで朝鮮を訪問した。2人の訪朝は、朝・日大学生友好ネットワーク結成10周年記念事業の一環として行われた。
2人は5泊6日の滞在期間、チュチェ思想塔、紋繍プール、金日成総合大学をはじめ、平壌市内の各所を見て回ったほか、開城市の世界遺産と板門店も訪れ、多くを学んだ。
熊迫さんは、日本のメディアが垂れ流す朝鮮に対するバッシング報道と、朝大生が語る朝鮮のイメージがかけ離れていたため、「一体朝鮮とはどんな国だろう」と疑問に感じていたという。そこで、朝鮮の現実を自分の目で直接確認しようと訪朝を決意した。
「朝鮮に対して『怖い国』というイメージを持っていたが、来てみると人々がみな親切で、社会がすごく安定していて平和だと感じた。人々が力を合わせて国家建設に励む姿が印象的で、明日への希望を持っているように見えた。朝鮮は人間が人間らしく生きている国だと思った。日本の社会では感じることのできなかった幸せの価値観を垣間見たような気がした」
熊迫さんは訪朝に先立ち、南朝鮮と中国にも足を運んだ。日本の敗戦70周年を迎える8月15日を前後して侵略と植民地支配を受けたアジアの被害国を訪れ、日本の罪科に覆われた歴史が今も根深く残っていることを実感したという。
朝鮮滞在期間中、強制連行の被害者の遺族に話を聞く機会があった。熊迫さんは日本人自身が過去の罪科に対して真摯に謝罪してこそ、東アジアの真の平和を実現できるということを、多くの日本人に伝えていきたいと話していた。
一方、朝大生である許さんは、「朝鮮人である私と日本人である熊迫さんが共に学び成長することの大切さを実感した」という。許さんは、より多くの良心的な日本の大学生たちと知り合い、共に手を携えながら、両国の友好促進に尽力したいと述べた。