東大阪中級サッカー部、5年ぶり5回目の「全国大会」出場へ
2015年08月07日 09:12 スポーツ東大阪中級サッカー部が6日、奈良県で行われている「第64回近畿中学校総合体育大会」のグループ予選リーグで、打出中(滋賀県)に4-1、紀之川中(和歌山県)に3-2で連勝し、「全国中学校大会」(8月19〜24日、北海道帯広市)の出場を決めた。
東大阪中級サッカー部の「全国大会」出場は5年ぶり5回目。
東大阪中級は7日、決勝トーナメントに臨む。
伝統受け継ぎ新たな歴史を
グループリーグ1戦目を4-1で快勝して2戦目に臨んだ東大阪中級は、前半に得点することはできなかったものの「先制は時間の問題」という雰囲気だった。ハーフタイムでは「良いリズム。あとは決めるだけ」と監督らは選手たちの背中を押した。
そして後半4分、金京泰選手(中3)が左サイドからのボールを頭で合わせ先制。11分に追いつかれたが、20分に朴秀豹選手(中3)の左からあげたクロスがそのままゴールに。2-1とした。
ここからが試練だった。23分にまた追いつかれた。
勝てば「全国大会」出場が決まるが、引き分け以下だと「全国」出場が遠のくというプレッシャーの中、選手たちは諦めないで走り続けた。
そして終了間際の29分、黄翔一選手(中3)の放ったシュートが決まった。会場は大いに沸いた。そして試合終了のホイッスルが鳴った。
涙を流す選手、保護者、同胞…。
東大阪中級が初の「全国大会」出場を果たしたのは1997年。続いて2004年、06年、10年に出場した。
金明源主将(中3)は、また朝鮮学校が日本の「全国大会」に出場できるようになった歴史的な意義についてかみ締めながら、「今日、伝統を受け継ぎ、新たな歴史をつくることができた。同胞をはじめ多くの応援が後押してくれた。感謝の気持ちを持って『全国』に行きたい」と話した。そして「目標は全国制覇」だと強調した。
金主将の母である金福熙さん(41)は試合終了後、興奮で手の震えが止まらなかったという。97年の初出場の際には弟が主将を務めた。そして今回は息子が主将を務めた。「こんなに暑い中、みんなが信じ合い、ひとつになった。民族教育の正当性を心の底から感じる」。
李弘佑監督は選手が交代してもチームの総合力が維持されていたことを評価。「全国大会」出場は「みんなでもぎとった勝利」だったと強調した。
この日、会場には奈良県の総聯活動家、同胞らも応援に駆けつけ選手らを激励した。
総聯奈良県本部の邵哲珍委員長は、強豪校を下して「全国大会」出場を決めた選手らは、奈良同胞たちに大きな力を与えてくれたと話した。
(李東浩)