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特別支援教育、東京第1初中の取り組み

2015年06月24日 15:48 民族教育

学びあい成長しあう大切さ

東京第1初中(東京都荒川区)には現在、さまざまな「特性」をもつ児童たちが通っている。通常級に籍を置き、特別支援教室でも授業を受ける金成美さん(6年、ダウン症)、康瑠那さん(4年、広汎性発達障がい)、金世人さん(2年、体幹機能障害、発達障がい)の1日を取材した。

その子なりのペースで

9時。1時限目の始業チャイムがなると講堂に成美さんがやってきた。見慣れない記者たちに興味をもったのか近くに来て「アンニョンハシンミカ。6年生の金成美です」と自己紹介。支援級のグループ活動では成美さんが最年長とあって、キビキビと声を張り上げる。「瑠那、こっちにおいで。運動はじまるよ!」。1時限目の「運動」では目一杯体を動かした。講堂内を全速力で走り回ったり、柔軟体操をしたり、台の上から床に置かれたリング目がけて跳び下りたり。

やる気満々の成美さんとのんびり屋の瑠那さんの動きは対照的だ。「瑠那、本気でやれ!」と成美さんの激が飛ぶ。それでも瑠那さんはマイペースに動いている。特別支援教室で講師を務める呉貞実さんは、13年前からさまざまな「特性」を持つ子どもたちを受け持ってきた。呉さんは瑠那さんにマジックテープを周りに貼り付けたピンポン球を与え、少し離れたところで的を構える。「『的に当てる』ということが理解できたら、バスケのシュートに取り組める。少しずつ、それぞれのペースに合わせてその子なりの成長を促していきたい」と話す。

2時限目は「パンシルパンシル教室」での授業。パンシルパンシルとは「にこにこ」を表す朝鮮語で、新校舎竣工後、新たに設けられた特別支援教室の名前を児童・生徒たちに募集したところ、この名前が選ばれたという。

絵カードを見ながら物の名前を言い当て関連する言葉を声に出す。「牛乳―ゴクゴク」「レモン―酸っぱい」「帽子―かぶる」というように。数字カードは成美さんが朝鮮語、瑠那さんが日本語で読み上げる。そして順番通りに数字を並べ声に出して数えてみる。他にも時計の教材を使って時間を読み上げたり、季節のカードを見て四季のイメージをふくらませたり、音読、作文、ピアニカ演奏、プリントなどをやった。休む間もなく次々と課題が示される中、子どもたちは慣れた様子でせっせと与えられた課題をこなしていく。

一条校の壁

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