イギョラカップに参加した選手、指導者たちの声/朝・日の成長の場
2015年03月23日 15:13 スポーツ 主要ニュース各地から強豪チームが集う国際親善ユースサッカー「イギョラカップ」(3月19~21日)は毎年、新シーズンに臨むチームの仕上がりを確かめると同時に、サッカーを通した朝・日親善を深める有意義な場となっている。
目指すは「選手権」
東京と京都の朝高ではそれぞれ、最終目標となる冬の「全国高等学校サッカー選手権大会」に向けたチームの課題をしっかりと捉えていた。
東京朝高の金滉智主将(高2)は、「ボールを奪われてからのディフェンス」が今後の強化ポイントだと話す。
「去年に比べ、個人の能力は高くないがチームとしての組織力は高い。ルーズボールや相手ボールの時に今までより一歩でも早く守備に切り替えられれば、弱点も克服できるはず」
4月から始まる「関東大会」都予選を勝ち抜き、本選に出場することが当面の目標だ。
京都朝高は今年、2003年度の「全国選手権」初出場以来の快挙を目指し、「一心不敗」をスローガンに掲げている。
姜詠大主将(高2)は「ウリハッキョは多くの困難に直面しているが、人数が少なくても大きなことを成し遂げられるということを証明し、同胞たちに少しでも希望と力を与えたい」と話す。今年1月には選手たち自らミーティングを開き、「全国大会」を目指す理由や意義、課題を再確認し、選手たちの気持ちを一つに結集させた。
姜主将は「全国」への扉を再び開くために「技術、体力を1、2段階レベルアップさせなくてはいけない」と実感している。
リスペクトが親善深める
東京、京都の朝高と対戦したチームの指導者たちは、国際親善を謳う大会に参加する意義について改めて考えを深めていた。
藤枝明誠高等学校(静岡)の松本安司監督(46)は東京朝高に対して「(日本学校とは)迫力が違う。朝高特有のファイティングスピリッツは日本学校に欠けているものだ」と話す一方で、「生徒たちの礼儀が素晴らしい。自分の子どもを通わせたいくらいだ」と感動していた。
また大会期間に様々なチームと対戦しながら「選手とチームが目に見えるような成長を遂げた。今後も誘ってもらえるのなら、ぜひ継続して参加したい」と語った。
昨年は東京朝高と、今年は京都朝高と対戦した矢板中央高等学校(栃木)でコーチを務めている池亀翔さん(26)は、自身も大学時代に関東2部リーグで朝大と試合をした経験がある。
池亀コーチは当時を懐かしみながら「朝大のことは常にリスペクトしていたし、指導者となった今でも朝鮮学校のことをリスペクトするように子どもたちに教えている。その姿勢が互いの距離を縮めると同時に、互いの水準を高めてくれる。切磋琢磨しながらも日朝親善に寄与していきたい」と語った。
(李永徳、李哲史)