需要の掘り起こし
2015年03月01日 14:02 春・夏・秋・冬料金メーター設置や夜間・日曜営業など新たな営業スタイルを取り入れたタクシーが平壌に登場して2年。当初は、仕事柄、車移動が習慣となっている人々の注目を集めたが、最近では主婦や若者も利用している。休日などは平壌駅前の乗り場に長蛇の列ができる。
∇タクシー運転手が「街の情報」に精通するのは万国共通だ。最近、話題の店について聞いた。新スタイルのチョンゴル(鍋料理)があるという。以前からチョンゴルを出していた店だが、新機材を導入した。鍋の具材の載せた小皿を客席沿いに設置したチェーンコンベアに乗せて循環させる。回転寿司と同じ要領だ。
∇これが好評だという。店は新たな需要の掘り起こしに成功したわけだ。料理の味が変わったわけではないが、カウンターに座って流れてくる具材を選ぶのは楽しい。チョンゴルは大人数で食べるものだという縛りもなくなり、「一人鍋」も可能になった。
∇いま、「ウリ式経済管理方式」の実践現場では経営者たちの創意工夫が発揮されている。人々のニーズを捉え、対応すれば、経済の歯車が噛み合い、回転する。タクシー運転手の行きつけを尋ねると、凱旋門近くにある「豚クッパ」の店だという。普通の食堂だったが、客層を絞込み、単一メニューにした。価格も見直し「早い、安い、美味い」を実現した。運転手は寸暇を惜しんで働いている。昼食時にはタクシーが同じ方向に向かい、その店の前に行列をつくるという。(永)