10.4宣言を支持し、その履行を求める/日森文尋
2014年10月07日 13:25 主要ニュース私たちは南北首脳間で結ばれた10.4宣言を支持し、その履行を強く求める。
10.4宣言とは2000年の6.15北南共同宣言の実践綱領である。とくに「北南関係改善と平和繁栄のための宣言」と題されているように、北南ともに経済的繁栄をかちとり平和を築くため、具体的な地名をいくつも挙げて協力事業を列挙している。また、関係改善については、離散家族の再会事業だけでなく、08年の北京オリンピックへの西海線列車による共同応援団の参加まで明記されている。
もしこの7年の間に、少しでも10.4宣言が履行されていたならば、北南関係は今日のような対立と緊張をはらんだ危険な状況に陥っていない。仁川アジア大会も、もっと盛大に華々しく開かれたことだろう。開城工業団地はもっと大きく広がり、国際社会から注目される一大生産拠点となっていただろう。離散家族再会事業は1回限りではなく、定期的に開かれ、たくさんの離れ離れとなった家族・親族が再会を果たしたことだろう。
こうした北南関係の改善と平和繁栄を妨害してきたのは、南の李明博・前政権であり、朴槿恵・現政権にほかならない。離散家族再会事業が1回実現し、仁川アジア大会に朝鮮選手団が参加したのは、北側の積極的で柔軟かつ忍耐強い南側への対応があったからである。
とくに朴政権は、李政権の朝鮮敵視政策と対米従属政策を全面的に継承しただけではない。核先制攻撃による首都・平壌の軍事占領などを想定した米韓合同軍事演習を継続的に展開している。
ましてや、平和の祭典である仁川アジア大会が開かれている最中に、反北団体が朝鮮の体制を誹謗中傷する「風船ビラ」を飛ばしたことには、政府が規制できないと目をつぶり、統一運動勢力に対しは「従北勢力」だと、軍事独裁政権時代の内乱陰謀罪まで持ち出し、大弾圧を繰り広げている。こうした殺伐とした南の社会状況のなかで、北南間に対話の雰囲気など生まれるはずがない。
今、仁川アジア大会に参加している朝鮮選手団を南の多くの人々が同じ民族として熱烈に歓迎し、全世界の朝鮮民族が南北選手団の活躍に熱い声援を送っている。
朴政権は北、南、海外同胞の平和統一を願う声に真摯に耳を傾けるべきであり、朝鮮に対する誹謗中傷や、軍事的敵対行為を直ちにやめなければならない。
私たちは、10.4宣言7周年を迎え、朴政権が朝鮮半島と東北アジアの平和と安定、統一への唯一の道である6.15共同宣言と10.4宣言を尊重し履行することを強く求める。
(朝鮮の自主的平和統一支持 日本委員会 議長)