スポーツ会談の決裂
2014年07月20日 10:51 春・夏・秋・冬仁川アジア大会に北の選手団、応援団が参加することになり、板門店で北南実務会談が開かれたが、合意できずに決裂した。北側の発表によると「当初、協調的に対応していた南代表が青瓦台の指令を受けた後、態度を豹変させ、挑発的言動を繰り返した」という。
∇さもありなんというところだ。北南対話の現場では、南代表が背後にいる勢力の意向に従い、紋切り型発言を行う場合がある。盧武鉉政権時代、ある会談で南側が「北の先軍政治」を誹謗する言葉を発し、相手の反発を招いて協議を決裂させたことがあった。当時、6者会談は中断状態にあり、米国は北南対話が突出してはならないと釘を刺していた。
∇朴槿惠政権における介入手法は、さらに露骨だ。昨年7月、開城工業地区正常化のための協議で南側代表を務めた統一部の担当者が突然解任された。北側の主張に「柔軟に対応」したためとの憶測が広がった。後任には青瓦台、国家情報院の強硬派に連なる人物が指名された。
∇今回はアジア大会組織委員会の事務総長らが南代表を務めた。彼らは協議が決裂し、北の代表が会談場を出た後も、マイクに向かって自分たちの主張を述べていたという。その声を聞いていた輩は、北の大会参加も北南関係改善も望んでいないのだろう。スポーツまでも政治利用しようとする勢力に鉄槌を下すためにも、仁川で民族和解の大きなうねりをつくり出さなければならない。(永)