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〈それぞれの四季〉私の出逢い/韓梨恵

2014年07月28日 09:15 コラム 文化・歴史

もうすぐ、留学同と出会って1年がたつ。最近は、私の方から積極的に、後輩にあいさつをする機会が多くなった。しかし、あいさつするに当たってどこか緊張し、躊躇してしまう自分がいる。

このためらいには、いくつかの理由があると思っている。

一つ目が、自責の念。私は今まで、自分が朝鮮人と日本人のダブルであることを隠して生きてきた。朝鮮人の部分にたいして、強い劣等感を感じていた。そんな私が、自分で自分を肯定したからと言ってそれを契機に、朝鮮文化を感受し、発信する主体になる資格を獲得しえることにはならない…。そう感じてしまうのだ。

二つ目が、恐怖感。20年以上の間、「朝鮮」を避けたい存在と位置づけてきたからだと思うが、即時的反応として、朝鮮語を話すことに対して、強い抵抗を感じてしまう。日本人に聞かれたらどうなるのだろうか…と危惧してしまう。

他方で、ずっと、自分の中の「朝鮮」に近づきたいと感じていたのも事実だ。このような、自己矛盾が深化したのは、自己を肯定する強さがなかったことに起因すると思っている。

留学同の先輩・仲間に出会ってから、少しずつ、自分の存在を自覚することができるようになったと感じている。もちろん緊張は、まだまだ続くと思う。それでも、私は、アンニョンハシムニカ! の挨拶をかわしたくて、留学同2年目を楽しんでいる。

(大学院生、神奈川県在住)

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