〈月間平壌レポート 5月〉続くモランボン旋風、さらなる期待
2014年06月11日 15:01 主要ニュース 共和国全国の芸術家の前で公演披露
【平壌発=李泰鎬】5月16、17日にかけて開かれた第9回全国芸術家大会の主役は、3月の平壌、両江道ツアー以来、旋風を巻き起こしている牡丹峰(モランボン)楽団。団長、副団長、団員らが次々と登壇し、討論をした。創設2年、苦悩と葛藤を乗り越えながら、市民に愛される音楽作りを追い求めてきた日々を振り返った。
努力とチャレンジ
楽団創設当初、足元を見失い、世界的な流行を追求していた若き団員らに警鐘を鳴らし、人々が愛するものこそ世界的なものだという朝鮮の芸術論を示したのは、金正恩第1書記だったという。 ヒョン・ソンウォル団長は、「第1書記が求める名作とは、人々が興奮し激動する音楽であり、新時代の芸術の最先端とは他でもなく、人々の志向と感情、情緒が反映されたものだった」と振り返った。
牡丹峰楽団のパフォーマンスについていろいろな見解があったが、近頃、人々が好んで口ずさみ、鼻歌を歌う曲の多くは同楽団の曲だ。「好きな曲は何ですか?」をテーマに、街角インタビューをした支局スタッフも、その影響力に驚いていた。 大会後、牡丹峰楽団による大会参加者のための祝賀公演が開かれた。客席には、歌手、楽器奏者、指揮者、映画俳優などテレビで馴染みのそうそうたる顔ぶれがそろった。積み上げた経験や知識を打ち破り、「公演とはこうあるべき」と見せつけられた公演だったと、ある参加者は語った。 牡丹峰楽団のメンバーは、他の楽団や学校から選抜されたとされているが、元々高い演奏技術を身につけていたわけではないという。バイオリン奏者のチャ・ヨンミさんは、技術レベルも経験も低レベルだった初期を振り返り、「難解な楽曲をまったく演奏できなかった」と反省点を口にした。