〈特集・安心与える「見守り人」〉東京第1初中への通学サポート/千葉・東葛青商会
2014年05月22日 16:27 主要ニュース子どもたちへの愛情あふれるまなざしと行動力
5月中旬、千葉県北西部の某駅3・4番線ホーム。朝のラッシュ時にスーツ姿の長身男性が最後尾を目指して急ぐ。「(時間が)ぎりぎりだったから焦ったよ」。千葉・東葛地域青商会の李桂樹会長(36)は集合場所で一人、一息ついた。その約10分後、李会長の腰ほどにも満たない小さな笑顔たちが、ぞろぞろと集まり始めた。「アンニョンハセヨ」(おはよう)と、手を振りながら子どもたちを迎えるその笑顔は、とても優しかった。
東葛青商会では今年4月から、学区である東京朝鮮第1初中級学校に通う初級部低学年児童・園児を対象にした全登校日の通学サポートを開始した。常任幹事たちを中心としたサポートメンバーが日替わりで、東京第1初中の最寄駅までの約15分間の電車に同乗し、子どもたちの安全を見守る。最寄り駅出口に面する尾竹橋通りの横断歩道を子どもたちが無事に渡ったことを見届けるまでが「任務」だ。
担当者たちはカバンの中に、ビニール袋やタオルなどを忍ばせている。それは、見ず知らずの大人たちに囲まれる電車内で、子どもたちが不意の体調不良に陥り嘔吐などをした場合に対処するためだ。
この日、子どもたちは野外写生のために体操着姿だったが、普段はもちろん制服にランドセル。李会長はいつになく楽しそうに学校へと向かう子どもたちの背中を見送ると、再び改札へ。ホームへと上がるエスカレーターに乗り携帯電話を取り出すと、保護者たちに宛てた「無事到着」の報告をするために文字を打ち始めた。