同胞初のプロビーチバレー選手/黄秀京さん
2014年04月23日 10:07 スポーツ 主要ニュース熱いハートと人間力を武器に
2012年にバレーボール・チャレンジリーグ(Vリーグ2部)からビーチバレーに転向した黄秀京選手(29)。5月4、5日の両日にかけ、お台場海浜公園(東京都港区)で行われるビーチバレー・ペボニアカップに出場する。同大会に出れるのは国内上位8チームのみ。
「たくさんの同胞たちに応援に来てもらいたい。自分のプレーでみんなに元気を与えられる自信がある」と、こんがりと日焼けした肌から白い歯を覗かせた。
東京朝鮮第4初中級学校中級部時代、「ママさんバレー」を楽しんでいたオモニの姿に興味をそそられバレーボール部に入った。入部早々、部内でのトラブルに頭を悩まされたが、責任感の強さから問題と正面から向き合った。毎日友達に電話をかけ、家を訪問。「練習そっちのけで話し合いに時間を費やすことも度々だった」が、言葉を交わす中で部員同士の距離は縮まり、いつしか全員が「かけがえのないチング(親友)」になっていたという。
プロへの夢を抱き、より高いレベルを目指すために大阪朝鮮高級学校への入学を決意した。和歌山に住む親戚の家から毎日、片道2時間半をかけて通学した。長い通学路に加え、倒れるほどにつらい練習は、しかし、プロプレイヤーとしての「大きな財産になっている」と話す。
バレー強豪校の日本女子体育大学に進学後は、常に「ウリハッキョ出身者としてのプライド」を胸に持ち続けた。178センチと恵まれた体躯を活かしたプレーで3年からレギュラーの座を射止め、また誰とでも打ち解けられる明るい性格で周囲からの信頼も厚く、4年時には副キャプテン兼ゲームキャプテンとしてコート内外で八面六臂の活躍を見せた。