とき
2012年04月25日 10:03 春・夏・秋・冬先日、トキのひなが誕生したというニュースが日本列島を駆け巡った。新たに2羽の誕生も確認された。心和ませるニュースであるが、少し複雑な気持ちにもなる
▼新潟といえばトキ、コシヒカリなどを連想するだろが、在日同胞にとっては祖国への玄関口である。6年前まで元山行きの貨客船「万景峰92」号が新潟港から定期的に運航されていた。同胞たちは一昔前は特急「とき」、近年は上越新幹線「とき」などを利用して新潟港に向かった
▼「万景峰92」号が運航されなくなってから、在日同胞は精神・肉体的に、経済的にも不便を強いられてきた。言葉の通じない異国経由の訪問を余儀なくされ、とくに体の不自由な高齢同胞には大きな負担となっている。今も行きたくても行けない同胞が少なくない。だでさえ不便なのに、昨年からは空港での規制がよりきつくなった。今、そのターゲットは在日同胞だけでなく、日本人士にも拡大されている。先日訪朝した猪木氏は、日本出入国の際に無礼極まる「検査」を強いられ、烈火のごとく怒っていたという
▼当分はうれしい気持ちで「とき」に乗れそうにない。日本政府は3日の閣議で、対朝鮮「制裁措置」を1年延長することを決めた。その無策無能ぶりは目を覆うばかり。これは在日同胞の祖国往来の自由を奪う重大な人権侵害であり、国際社会からの厳しい指弾は免れないだろう。(進)