あの日の決断
2026年03月16日 09:00 取材ノート朝大の卒業式 (3月8日)の後、各学部に分かれて祝賀宴が行われた。
外国語、理工、短期学部の卒業生らと家族、教員らが参加した祝賀宴では、孫凛奈さん(外国語学部)が母の李愛子さん(55)に感謝を綴った手紙を読んだ。
2つ年上の姉と自分を女手一つで育て、16年間民族教育を受けさせてくれた母への感謝を声を震わせながら伝える姿は、参加者たちの涙を誘った。現在、九州初中高で教壇に立つ姉同様、凛奈さんも卒業後は兵庫の朝鮮学校で教員を務めることになる。手紙の最後には、いつも自分を応援してくれる母の期待に応えられるよう、子どもたちを誰よりも愛し、立派な朝鮮人に育て上げると決意を語った。
それを聞きながら、筆者もふと朝大の卒業を控えた4年前を思い浮かべた。
朝大を卒業後、3年間朝鮮学校で教鞭をとった筆者は、民族教育を最先端で守り抜くことができるのか、自分に教員が務まるのか不安を抱えていた。そんな筆者の背中を優しく押してくれたのは、両親と朝大の教員、そして同級生たちだった。かれかのじょらには感謝してもしきれない。
現在は報道機関に勤めているが、教員として学校で子どもたちと過ごした日々は記者生活をする上で力となっている。あの日の決断は決して間違っていなかったし、教員を務めて心の底から良かったと思っている。
卒業を迎えた4年生たちが、自分の下した決断に自信を持ち、各々の場所で思いっきり羽を広げてほしいと感じた取材だった。(佳)
(佳)