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“共に戦い、勝利を勝ち取ろう” /600回目の「金曜行動」

2025年12月23日 11:09 権利 民族教育 主要ニュース

600回目を迎えた「金曜行動」(19日、文科省庁舎前)には、朝鮮大学校の学生や東京中高の生徒、教員や保護者をはじめとする同胞、日本市民ら1、000人以上が参加した。主催者と連帯のあいさつの後、各界代表がマイクを握り朝鮮学校への民族差別に反対し、高校無償化を適用するよう強く訴えた。

”当たり前を取り戻すために”

(写真はすべて盧琴順撮影)

初めに、東京中高の生徒らと保護者らが発言した。

魏聖泰さん(東京中高高2)は、日本のサッカークラブに所属していた時に、心無い言葉を投げつけられた経験を語り、「在日朝鮮人に対する差別的な言動は後を絶たず、自分たちの生活のすぐそばにある。差別がなくならないのは、大人たちが差別を作り、見過ごし、助長してきたからだ」と、述べた

そして「日本社会の中で、差別を受けてもなお朝鮮人である自分を誇りに思えるのは、朝鮮学校で友だちと一緒に学ぶ中で、自分が何者なのかを知り、受け止め、肯定することができたから。日本で生まれ日本で育つ自分にとって、朝鮮学校は同じルーツを持つ友人たちと民族の言葉や歴史を学び、朝鮮人としてのアイデンティティーを育む大切な場所だ。(文部科学省は)今こそ差別をなくす側に立ってほしい」と、訴えた。

東京中高オモニ会の安慶花副会長は、「金曜行動」が600回を数えても、私たちの存在と権利が未だ認められない事にとても心が痛むとし、「家庭の経済的負担が大きくても、子どもを朝鮮学校に通わせているのは、在日朝鮮人として堂々と生きてほしいから。自分が誰であるか、異国の地で在日朝鮮人してどのように生きていくのか、その方法を学べる唯一の場が朝鮮学校だ」と、語った。

また、朝鮮学校の子どもたちを政治的色眼鏡で見るのではなく、まず朝鮮学校がどんなところなのか知る事が大事だとしたうえで、「差別は絶対にあってはならない。日本という国が、すべての子どもたちの人権が保障され、のびのびと成長できる、そんな社会になる事を切に願う」と、訴えた。

続いて、朝大生らが発言した。

幼いころから母に連れられ、朝鮮学校の高校無償化除外を反対するデモに参加していたという盧香鈴さん(朝大政治経済学部3年)は、「物心がついたばかりの当時の自分には、大人たちが叫ぶ言葉もビラの文言も理解できなかったが、冷たい視線や心ない言葉が自分に向かっているものだということは容易に理解することができた」と、振り返った。

そして、「人格の形成に不可欠である自らのルーツを学ぶ権利は、誰もが持つ人権であり、ましてや日本の植民地支配の名残で異国に生まれ、通常より数倍も自らのルーツに対する渇望を持つ在日朝鮮人にとって、民族教育がいかに大きな意味を持つかは言うまでもない」とし、「当たり前を取り戻すために、そして、愛する後輩たちを守るために戦い抜く。たとえあなたたちが耳を傾けなくとも、否応なしに声が聞こえてしまうほど、何度も叫び続つづける」と、力を込めた。

朝鮮学校を卒業した朝青員たちも文部科学省を訪れ、差別是正を強く訴えた。

「前回、この場でこうして発言をしたのは大学生の時だった。あれから7年が経ち、朝高を卒業してからは10年が経った」

こう述べたのは、朝青足立支部の殷成暉委員長だ。「朝高時代、クラスごとに順番が回ってきたら、放課後に文科省に来て『金曜行動』に参加し、終わったら学校に戻り部活をするということをしていた。しんどかった。それでも「金曜行動」を続けたのは、高校無償化制度の適用は我々が当たり前に受けるべき権利だということ、適用除外はどんな理由をもってしても不当以外の何物でもないということを胸張って言えたからだ」と述べた。

また、「『金曜行動』は勝つまでするものだ」とし、日本政府の差別に抗いながら「しんどくても笑顔で、いつでも楽しく、『金曜行動』を勝つまで、皆で支えあい、続けていきましょう」と、参加者に呼びかけた。

最後に、日本市民を代表して、朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会の森本孝子共同代表が発言した。森本代表は、「日本政府は過去の朝鮮への植民地支配を反省し、在日朝鮮人の子どもたちが民族の文化や言葉を学び、アイデンティティーを確立する朝鮮学校への支援をすべきだ」と述べ、朝鮮語で「朝鮮学校を守るために共に戦い、勝利を勝ち取ろう」と、参加者らに呼びかけた。

(文=尹佳蓮、写真=盧琴順)

 

 

 

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