〈学美の世界 79〉自律的な学びの最先端/琴善鈞
2025年11月20日 06:10 主要ニュース児童や生徒たちが生み出す作品には、作者が興味を抱く事柄がしばしば登場する。子どもたちはその時々のマイブーム=関心事をモチーフにすることで自身の内面を表す。さまざまなものに触れ、吸収しながら自己を形成していく過程に、興味の対象も季節のように移ろう。それは、「自分とは何者か」を探る果てなき旅の道程でもある。
中にはとり憑かれたように、終始たった一つのテーマに没頭する作者もいる。脇目も振らず自分だけが知る「お宝」の魅力を追及し表現することに、全神経を注ぎ込む。他の追随を許さぬその熱量には大人も圧倒される。
初級部1年生にして数種類の恐竜が躍動するコマ撮りアニメーションを制作。「私の夢」という主題の作品では、恐竜博士になった自分は隅に追いやり、画面いっぱいに恐竜の卵を描いた。

