【留学同行事案内】全国巡回展、日本各地4カ所で開催/「Moving History Museum~日本と朝鮮、消えない歴史」
2025年10月02日 17:02 主要ニュース10月10日から13日にかけてトルパプロジェクトは全国巡回展「Moving History Museum~日本と朝鮮、消えない歴史(以下、巡回展)」を行う。
トルパプロジェクトとは、留学同の学生と日本人学生によって関東大震災時の朝鮮人虐殺から100年となった2023年に、①関東大震災時の朝鮮人虐殺を記憶すること、②現在も続く植民地主義による朝鮮人差別を是正するため世論を動かしていくこと、③より多くの人にこの問題を知ってもらうことの目的で始まったものだ。23、24年に200人規模の新宿デモや都庁前行動、集会を行い、今年も含め3年連続で都に対する要請活動も行っている。
今回トルパプロジェクトは、「戦後」80年と言われる今年、官民一体となった歴史わい曲、否定論、在日朝鮮人に対する植民地主義、民族差別のような今に連なる日本と朝鮮をめぐる侵略、支配、抵抗の問題について、「その歴史は決して消えない、消してはならない」という想いを込め、日本で否定され、消されようとしている歴史を記憶し、いま何をするべきかについて多くの方と共に向き合い、考え、行動していくために東京、愛知、大阪、広島の4カ所で巡回展を企画した。
各会場では、強制連行や日本軍性奴隷制問題、現在の歴史わい曲などを解説した共通のパネルに加え、東京大空襲や浮島丸沈没事件、柳本飛行場についてなど地域特有の課題に踏み込んだ地方ごとのパネルも展示する。
パネル作成者は、留学同の在日朝鮮人学生と日本人学生だ。共通パネルの作成には計10人の日本人学生が携わった。協議や学習を重ねて歴史に対する共通の認識を持ち、それぞれがパネルに記載する文章を執筆した。
今回、このような作業を初めて行ったという留学同兵庫の張実優さんは、「執筆という自身の言葉で表現する作業によって、自分も歴史を残し向き合う主体だと実感した。ある程度知識はあったつもりだったが、執筆にあたり文献などを読み、朝鮮をとりまく問題の歴史の長さと深さを改めて知った」とし、「学問としてあるべき姿を失った日本の教育や社会、そして歴史が修正、否定され消されようとしている現状への危機感を抱かずにはいられなかった」と思いを語った。
同じく共通パネルの作成に関わった留学同中四国の呉彩瑛さんは、「日本の敗戦から80年、私が育った広島に原爆が投下されて80年という年に、在日朝鮮人の学生と日本の学生が一緒に何かを企画するということに大きな意義がある」と語った。また、「パネルを作成するなかで、日本と朝鮮半島の歴史を改めて学び、在日朝鮮人のおかれている現状に憤りも感じた」とし、「この巡回展が誰かの何かのきっかけ、探求の入口になることを願う」と力を込めた。

来場者参加型のリボンアート
今回の巡回展は各地で講師を招いての講演会も併せて行われる。実行委員の一人で、期間中すべての地方を車で巡る伊集院隆史さん(明治大学2年)は新たな日本人有志と出会えることを楽しみにしているという。
その他、来場者の思いを綴り、今後の行動について考え、その一歩を踏み出すきっかけを作るためのリボンアートも準備している。巡回展に訪れた際は是非読者の思いをリボンアートに込めて、全国の参加者とのつながりを感じてほしい。
【留学同中央】
日時と開催場所
【東京】 10月10日(金) 15時~20時30分 パネル展示会 文京区民会議室5-A(17時30分以降4階ホール)
【愛知】 10月11日(土) 14時30分~19時30分 ウィル愛知2階特別会議室
【大阪】 10月12日(日) 15時~19時 エル・おおさか南734
【広島】 10月13日(月) 14時~19時 広島市まちづくり市民交流プラザ北棟4階ギャラリーA
特別講演会
【東京】《日本における歴史否定論と私たちの課題》 講師:加藤圭木氏
【愛知】《継続する植民地主義と大学生たちの課題》学生対談
【大阪】《日本の敗戦、朝鮮の「解放」から80年-植民地主義の克服とは》講師:藤永壮氏
【広島】《日朝の真の友好のために、いまできること~歴史から現在を眼差して~》登壇者:田中美穂氏、権鉉基氏