日本政府は在朝被爆者を支援せよ / 浅野健一
2025年08月29日 09:00 主要ニュース広島「聞く会」、救済の訴えと石破政権の回答
私が毎年、8月6日に広島市の平和記念公園で営まれる原爆死没者慰霊式・平和祈念式を取材する理由の一つは、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)に帰還した広島・長崎の朝鮮人被爆者が、日本の政府と市民運動から無視されている問題を解決してほしいからだ。
「二度とあってはならない」
平和式典の後、石破茂首相が「被爆者代表から要望を聞く会」が市内のホテルで開かれた。石破氏は冒頭、「私は、戦争が終わって12年後の1957年生まれで、岩屋毅外相も同じだ。鳥取の小学校6年の時、NHKが公開した広島の原爆投下の記録映像を児童全員で見た。『このようなことは二度とあってはならない』と思った」と述べ、「この『聞く会』は有益だが、あまりに短い。十分に話せない。来年の会を待たず、長く話す機会をつくりたい」と積極的な姿勢を見せた。
被爆者団体側は要望書で「核兵器禁止条約こそ、核軍縮を進める実効性のある唯一の場」と指摘し、同条約締約国会議へのオブザーバー参加などを求めた。
3番目に発言した広島県朝鮮人被爆者協会(朝被協)の金鎮湖会長は「平壌宣言から23年、何の進展もないまま今日を迎えた。今年2月、学者、市民が朝鮮と日本を結ぶ全国ネットワークを結成した。政府は、このような流れを真摯に受け止め、宣言の一日も早い履行のため最大限の努力をしてほしい」と要望した。

「聞く会」で、金鎮湖会長(右から3番目)が石破首相に在朝被爆者問題で要望した(広島市のホテルで)
そして「この3年間、日本政府は『在朝被爆者が放射能による健康被害を受けたという点で重要な人道上の問題であると考え、関係省庁で意思疎通を行い検討していく』と同じ回答をしている。本当に支援するつもりはあるのか。あるとすれば在朝被爆者が希望を持てる返答をすべきだ」と糺した。