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〈取材ノート〉差別の中でも屈せずに

2012年04月23日 00:43 コラム

昨年のこの時期、横浜弁護士会と朝高生たちの座談会を取材した。

取材ノート座談会は、「高校無償化」制度から朝鮮学校のみが除外されている現状を憂う弁護士たちが、現場を一度見てみようと考え企画された。制度の適用対象から除外されている現状についてどう思うかという弁護士の質問に対して「他者に対する無知は差別と偏見を生むと思う。差別をせず、日本の高校生と同じように平等に考えてほしい」と、堂々と話す朝高生たちの姿が目に焼きついている。

朝鮮学校への「無償化」適用審査が続いている。何ら合理的な説明もないまま結論が先送りにされている。朝鮮学校の保護者や関係者、日本市民らによる要請活動は2年以上続いている。

いまだ解決されない「無償化」問題が日本社会全体の差別意識を助長している。

これに便乗して、一部の地方自治体が朝鮮学校への補助金を凍結した。歴史的経緯を省みないヘイトスピーチが街頭に溢れている。メディアはこうした人権侵害についてはほとんど報道せず、朝鮮バッシングに躍起になっている。

そんな息苦しい日本社会に暮らす中で、自分が朝鮮人であることを隠そうとする子どもたちがいることが悲しい。

差別を受けることは本当につらいことだ。だが、そういった痛みを知っている人間だからこそ、他者の痛みを理解することができ、悲しみを繰り返さないように生きていける。

朝鮮学校の生徒たちが差別に屈することなく、強さと思いやりを持って、立派に育ってくれることを願うばかりだ。(炯)

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