“遅い春がやってきた”/梁淑子
2025年04月21日 10:00 それぞれの四季2025年4月18日。大阪中高新校舎にて2025年度入学式が行われた。
こんなにも「春」が待ち遠しかった年はない。春の代名詞と言えば桜だが、桜の開花は本格的な春の訪れを告げてくれる。夏になると翌春に向けて花芽を形成し、冬の突入前には、厳しい寒さから身を守るため、「休眠」状態に入るという桜。この状態を解くには、一定期間、低温にさらされる必要がある。そうすることで花芽は休眠から目覚めるが、これを植物学では「休眠打破」と言うそうだ。
大阪中高も新校舎完成まで、“厳しい寒さ”、紆余曲折が数多くあった。だが、我々オモニたちは新校舎で学ぶ子どもたちに、新しい机と椅子、保健室備品をプレゼントするために「プロジェクト」を立ち上げ、見事成し遂げた。
また、愛国1、2世同胞たちが築き守ってきてくれた花園校舎に感謝を告げ、大阪民族教育100年に向けた新たな一歩を歩みだすきっかけとして「花園校舎感謝祭」をアボジ会・オモニ会の力で輝かしく成功させた。この間、仮校舎でも楽しそうに学校生活を送る子どもたちのキラキラした姿は、我々大人を励まし、力づけてくれた。
冬の寒さを乗り越え、休眠打破を終えた桜は、春の暖かさを感じて成長していく。
新校舎竣工を祝し、ウリハッキョをこれからも守っていくとの思いを集めて、一本の桜の木が植えられた。この春から大阪中高新校舎で学ぶすべての子どもたちが、祖国、そして同胞たちの温かい愛を一身に浴びて、桜の木と共に、大きく大きく成長してくれることを願ってやまない。
(大阪中高オモニ会会長)