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「ウリ」について/朴信陽

2024年12月09日 09:00 それぞれの四季

2013年の春、期待に胸を膨らませながら神戸初中の校門をくぐった。

ピカピカの中級部1年。日本学校からの編入生で、右も左も分からない私に、トンムたちが親切に接してくれた。

例えば教科書を読むとき。ウリマルで書かれている教科書を理解したくても、何が書かれているかわからない。弱ったなと思っていると、トンムたちが教科書を翻訳してくれたり、内容をかいつまんで教えてくれたりした。

トンム同士が和気あいあいとウリマルで話しているとき。私にはなんの話だかさっぱり見当もつかない。そんな私を見かねて、話の内容を日本語でもう一度話してくれた。

私が初めてウリマル100%で学校生活を送れるようになったとき。トンムが一緒になって喜んでくれた。「信陽、全部ウリマルで話せたね!」と。

「『ウリハッキョ』は本当に温かいところだ」とよく言われるが、私はその意味を何度も身に染みて感じた。

大人になった今だから分かる。こんなにも周りのことを思いやって自ら動くなんて、なかなか簡単なことではない。でもウリハッキョのトンムは「ウリ」というだけで、まるで自分事のように悩み考え、そして喜びを分かち合う。そんな「ウリ」という観点を大切にできる。

「ウリ」。その言葉が持つ意味について、まだ何も知らなかったあの時の私へ。「ウリ」は素晴らしい言葉だよ。

(千葉初中教員)

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