三重同胞奮闘記⑤「イオ三重タイムズ」ができました!/金琴純
2024年05月11日 09:02 暮らし・活動15年ほど前、総聯三重県本部発行の「ウリマダン」という同胞情報紙があった。今見返しても各団体の動きや行事、時事問題、慶事など当時の様子がよく分かる。
昨年9月の「ウリ民族フォーラム2023in三重」の準備期間に青商会幹事らが苦戦した同胞訪問活動。三重同胞社会が活発だった頃の活動を若いかれらが展開するにはハードルが高く、模索した。なにかツールが必要だと情報紙制作を試みたが残念ながら頓挫、今期に入りまたもや同じ問題に直面した末の再挑戦となった。
とはいっても未経験者ばかり。何から始めればよいのかわからないまま編集部をつくり、情報紙名や紙面構成、制作スケジュールなど全て手探り状態で進めていった。ある意味記事はSNSなどから情報を集めて形にすれば何とかなるが、読み物として成立するように老若男女、子どもも楽しめる連載コーナーを企画、取材相手やコラムの筆者を探し、編集部員の個々の得意分野を生かせるよう会議を重ねた。
昨年姫路から嫁いできた朴錦蓮さんは、担当コーナーやインタビュー同行など何をしても楽しそうで、30代ならではの視点をもつ。SNSを得意とする元智香さんは手書き原稿の4コマ漫画をアプリでさくさくデータ化してくれる。若い世代のアイディアやスキルにただただ驚嘆するばかり。
しかし目的は情報紙をつくることではなく、トンポの中に入ること。一番の課題は制作と同時に配布がスムーズにできるよう準備することだった。配布リストとスケジュールを用意しても「〇〇支部は〇部配ってください」「はい」などとはいかない。これまで停滞していた訪問活動を一から始めるにはまだまだ難しく時間がかかりそうだ。
そこで編集部が目指すのは、「これを読めば最新のトンポ情報が分かるフリーペーパー」。トンポから「面白そうだな、読みたいから今度持って来てくれ」と言われるような紙面づくりを徹底するのみ。
一粒万倍。トンポに会えば何かしらネタが手に入る、紙面に反映、読者が増え、三重トンポをつないでいく。情報紙制作の狙いがここにある。
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先日、「イオ三重タイムズ」5月1日付(4ページ)ができあがった。他県在住の三重トンポにも読んでもらえるよう、また投稿ができるようにSNSを準備した。感想やご意見など送って頂ければ幸いだ。
(「ウリ民族フォーラム2023in三重」と準備過程で活気を取り戻した三重同胞社会。フォーラム後も有志たちの奮闘は続いている。同フォーラム記録係を務めた金琴純さんがかれらの活動をレポートする。不定期掲載)