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三重同胞奮闘記④あつまれ! コッポン/金琴純

2024年04月23日 08:00 暮らし・活動

四日市初中幼稚班で実施した土曜児童教室「園庭開放 あつまれ!コッポン」のようす

23年度に四日市初中幼稚班で実施した土曜児童教室「園庭開放 あつまれ! コッポン」(以下コッポン)の日は、園内がとても賑やかだ。朝から在園児たちはどこかそわそわ、コッポン参加者が来る時間を今か今かと待っている。

コッポンは満2歳から6歳児を対象に幼稚班の日程に沿って一緒に同校の幼稚班生活を体験する預かり保育方式で、通園バスの利用も可能だ。

緊張気味の参加者のお世話を在園児がつきっきりでしてあげる。参加者たちは挨拶など少しずつウリマルを覚え、ウリ名前で呼びあい、すっかり在園児と慣れ親しんでいた。少数のため普段はできない遊びや共同作業もできるので、在園児たちはコッポンの日を楽しみにしているという。

四日市初中幼稚班で実施した土曜児童教室「園庭開放 あつまれ!コッポン」のようす

4月7日の24年度入園・入学式。ピカピカ年長組の姜佑宗さんと初級部1年生の鄭徳鎮さんは、コッポン参加者だ。鄭徳鎮さんのオモニ山田英さんは、数年前に同校で書道を教えていたことがあり、その頃からわが子が生まれたら絶対に入学させると決めていた。理由は「面白そう、楽しそう、あったかそう」だから。最初は日本の学校に行きたいと言っていた徳鎮さんだが、コッポンに行くようになり変わり始めたと話してくれた。姜佑宗さんは弟と一緒にバスで通園し、この1年で幼稚班のルーティーンをしっかり覚え生活できるようになった。

1972年四日市初中に併設された幼稚班は、2018年度に休園した。翌19年度に始まった「チャララ」から「ウリトンムモヨラ」、そして「あつまれ! コッポン」。時には女性同盟や保護者のサポートを受けながら試行錯誤を重ね、続けてきた。

「私たちの仕事は子どもが幼稚班に来てからできることであって、来てもらうまでが課題だ」と、休園期間を経験した朴紗永講師。なかなかオリニと一緒に参加できない子どもがいると「最後まで一緒にやってみようね」と声かけを続けることを心がけているそうだ。一方、教員3年目の朴星来さんにとっては、人数にかかわらず保育ができたこの1年で自信がついたという。

入園・入学前に子どもも保護者もハッキョに慣れるための時間として、コッポンはとても大切な場所だったといえる。今の時代どの親も教育熱心、魅力的な選択肢が増えすぎて迷うかもしれない。ただもし幼稚班の生活を体験できる機会があるなら、わが子の変化を観察してみるのもいいだろう。二度と休園することがないよう誰よりも強く願っているのは教員たちだ。かれらの愛情をたっぷり受けながら自然と民族心を育む場、そんな教育の場は、他にない。

四日市初中幼稚班で実施した土曜児童教室「園庭開放 あつまれ!コッポン」のようす

(「ウリ民族フォーラム2023in三重」と準備過程で活気を取り戻した三重同胞社会。フォーラム後も有志たちの奮闘は続いている。同フォーラム記録係を務めた金琴純さんがかれらの活動をレポートする。不定期掲載)

(朝鮮新報)

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