平和を求める人たち
2013年05月20日 09:48 春・夏・秋・冬朝鮮戦争当時、父親を米兵に生き埋めにされた70代の女性は、拳を握りしめ、震える声で記者に訴えた。「私に銃をくれたら今すぐ仇を討つ」。それまで落ち着いて言葉を丁寧に選ぶようにして話していた女性が、その瞬間は身を乗り出し、涙ながらに訴えかけてきた。その姿に圧倒され、言葉を失った
▼翌日、朝鮮戦争に参加した朝鮮人民軍の元兵士たちは、こんな話をしてくれた。「当時、米国は、核兵器を含む軍事技術的優勢をしきりに宣伝し、北の人々を威嚇し、懐柔もした」。米国が原爆を投下しようとしたことにより、南に避難した人々がいた。その道中で空爆に遭い、捕えられて虐殺された人もいた。そして離散家族の悲劇が生まれた
▼インタビュー当日、「自衛的核保有」に関する法律などが最高人民会議で採択。戦争体験者たちも熱烈に支持した。「これで米国は朝鮮を侵略することはできない」。日常的に核の脅威に晒され、戦争の悲惨さを知る人々の前では、「核は危険」などと口にすることはできなかった
▼オバマ大統領と会談した朴槿恵大統領は、朝鮮の並進路線を「不可能な目標」と否定。世界一の核兵器保有国である米国で、「北の核放棄」「北の変化」を一方的に求めた。戦争を知らない大統領(停戦時1歳)は、核大国に隷属して「平和」を叫ぶ。「変化すべき当事者は他でもない、かいらい政権だ」(祖国平和統一委員会スポークスマン)。(泰)