大阪府青商会が主催「ワクワク!ドキドキ!ゴールデンキャンプ2013」
2013年05月17日 14:39 主要ニュース家族と地域で交流を
大阪府青商会が主催する「ワクワク!ドキドキ!ゴールデンキャンプ」が4、5の両日、大阪・貝塚市にある大阪府立少年自然の家で行われた。イベントには大阪、兵庫、奈良、和歌山などの各地域から、青商会会員やその家族ら200余人が参加。地域の垣根を越えて交流を広めながら、同胞社会を発展させる方法を一緒に模索していくきっかけとなった。
子どもも大人もつながる
同イベントは北大阪青商会が発案した企画を大阪府青商会がサポートし、府内の朝青員らを交えた実行委員会が主催した。
朝鮮学校を取り巻く情勢がいっそう厳しくなっている中、各朝鮮学校の保護者たちは児童数の減少などさまざまな「共通の悩み」を抱えている。「ゴールデンキャンプ」は、子どもたちと家族らが楽しい思い出を作るとともに、さまざまな地域の同胞との交流を通しウリハッキョを拠点としたコミュニティの良さを知ろうとの思いで企画された。
朝青員たちが出演する「大阪(テパン)レンジャー」ショーではじまった初日は、オリエンテーリング、マグロ解体ショー、バーベキュー、キャンプファイヤー、花火大会などが行われた。二日目はアボジと子どもたちが中心となり、カレー作りに挑戦。親子の絆がいっそう深まった。閉会式では子どもたち全員に「ハンマウムバッジ」がプレゼントされた。
2日間のキャンプでは至るところで子どもたちの笑顔が目立った。キャンプには1歳前後の乳幼児から、11歳までの子どもたちが参加。各地域から集まった「新しい友だち」と一緒に、多彩な催しを楽しみ、兄弟のように仲良く触れ合っていた。
また、大人たちも他地域の同胞たちとの交流を深めていた。
北大阪地域に住む李明希さん(33)はもうすぐ1歳になる娘、夫と共にキャンプに参加した。尼崎東地域で育ち、結婚を機に北大阪地域に越してきてから、こうした同胞のイベントに参加したのはほぼはじめての経験だったという。今回、北大阪地域をはじめとしたさまざまな地域のオモニたちと仲良くなれたことを喜んだ。
「本当に多くの人とかかわることができてよかった。子どもは早くから民族教育に触れさせたいと思っている。これからは私も北大阪地域のオモニたちが行うオリニサークルなどに積極的に参加していきたい。イベントを機に今後大阪の各地域で学区別に交流会などが行われるようになればうれしい」と語った。
経験共有、ヒント得る
イベントは参加者が地域活動の経験を共有する場となった。
初日のバーベキューではそれぞれ違う地域の同胞たちが同じ七輪を囲み食事と会話を楽しむ姿があった。バーベキューの合間には大阪(北大阪、生野西、生野南、中西、東大阪、八尾柏原、東成、西大阪、南大阪)、兵庫(伊丹、尼崎東)、奈良、和歌山の各地域の代表が発言する時間も設けられた。
兵庫・伊丹地域からは北大阪青商会の孫福基副会長の呼び掛けもあり、約60人が参加した。伊丹地域を代表して土曜児童教室「コッポンオリクラブ」の金温紀事務局長(42)が発言した。金事務局長は、現在同地域で民族教育を発展させるための活動を多彩に展開していることに触れながら、「いつも(近くに住みながら)交流できるようでできない地域が、このような形で楽しく交流できてうれしい。イベントを企画してくれた大阪府青商会に感謝している。この場で地域同士の経験を共有しながら、みんなが同じ気持ちで一緒にがんばっていきたいと思う」と述べた。
発言の後、金事務局長の叩くチャンゴのリズムに合わせて、「コッポンオリクラブ」に通う子どもたちが民謡連曲を披露した。朝鮮語で民謡を歌う子どもたちの可愛らしい歌声に合わせて、同胞たちはオッケチュムを踊りながら楽しんだ。
会場の雰囲気を楽しんでいた秦英淑さん(38)は奈良県からかけつけた。秦さんは現在、休校中の奈良初中で行われている児童教室に2人の子どもを通わせている。そんな秦さんは、同イベントに参加して同胞社会を盛り上げていくためのヒントを得たと語った。
「今回キャンプに参加して普段とは違う環境で交流する新鮮さや、他の地域の体験談などを聞きながら学ぶこと、感じることがたくさんあった。とくに同胞社会を盛り上げていくためには、思いついたことを積極的に行動に移していくことが大切だと感じた。地域の規模は違うが奈良の同胞たちもいま、家族同士の絆を大切にし、学校を盛り上げるために励んでいる。ここで得た体験を活かしていきたい」(秦さん)
(李炯辰)