平壌駐在記者の食生活
2013年05月13日 15:07 春・夏・秋・冬平壌駐在が数カ月に及ぶと、ホテルの食事に飽きてくる。そんな食生活を支えてくれるのが周りの人の差し入れだ。定番はやはりキムチ。白菜や大根のキムチがメジャーだが、他にもいろんな種類がある。家庭や店によってまったく味が異なるから奥が深い
▼キムチやどの家庭にもありそうなミッパンチャン(作り置きするおかず)に逸品が隠れていたりする。親戚からもらった大根のキムチは、現地スタッフいわく「人に売れるレベル」。食卓に置くと瞬時に食べ尽くされた。そのお礼にと、後日、スタッフが妻と娘におかずを作らせて持って来た。ちりめんじゃこに唐辛子とごま油を混ぜて軽く炒めたもの。珍しいおかずでも、味でもないが、ご飯が進む逸品だった
▼美味しいものがあれば、みんなで分けて食べる。するとまたお返しをもらう。そんなやり取りで情が行き交う。在日同胞が利用する平壌ホテルの食堂では、帰国した家族、親戚たちと楽しい団欒の時間を過ごす同胞の姿がある。バーカウンターでは、従業員や平壌のガイドらと交流する機会がある。そこで人々の生活や文化の一端を見る
▼取材で訪れた地方の農場で昼食をご馳走になった。米作りにかける人々の思いを聞くと、白米の味がさらに深まった。就任2年目にして全国トップの成績を挙げた農場管理委員長は、「秋にいらしたら、黄金の稲穂の素晴らしい光景をお見せしますよ」と自信を覗かせた。(泰)