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「福岡朝鮮学校を支援する会」結成10周年、9月に関連行事

2013年05月15日 15:03 主要ニュース

朝鮮学校の存在、県下に広め

「福岡朝鮮学校を支援する会」が、今年で結成10周年を迎える。中村元気共同代表(日朝学術教育交流協会会長)は、10年間の歩みを振り返り、県下における日朝運動促進が着実な広がりを見せてきたとその成果を語る。

同会は2003年6月、県内の朝鮮学校関係者らが福岡弁護士会に、朝鮮学校への処遇改善を求める人権救済申し立てを行ったにも関わらず、一向に改善がなされなかった出来事が直接的なきっかけとなり発足された。差別の実態を放置することが、「朝鮮学校の生徒たちの人権に関わる重大な問題」という観点から、県下朝鮮学校に対する▼教育助成金の増額、▼寄付金の税制上優遇措置、▼改築補修などの補助金給付、▼各種国家試験資格の付与を政府および行政に求めることを主な目的と定めた。

結成から10年。現在まで、上記の活動にくわえ、朝鮮学校訪問、交流、カンパ活動、図書や楽器などの物的支援などを行ってきた。また「高校無償化」問題など、朝鮮学校差別に反対する各種の要請活動も展開。運営委員会や会報発行も継続されてきた。

中村共同代表は、これまでの活動を継続して行ってきた意義について「何よりもまず、日本の人々に朝鮮学校の存在を広めることができた」と強調する。朝鮮学校で行事などが行われる際には、会員らが積極的に日本市民たちに呼びかけ共に同校を訪問している。その中には、初めて朝鮮学校に足を運んだという人も少なくないという。「朝鮮学校を知り、理解を深めることが活動の第一歩に繋がっていくはず」(中村共同代表)。

こうした取り組みは、近年、県下における日朝運動の気運の高まりにも繋がっている。2008年には、県内では「福岡県日朝友好協会」が結成された。

中村共同代表は、「『福岡朝鮮学校を支援する会』と『朝鮮学校を支援する会(北九州、2000年11月結成)』の長年にわたる運動が、こうした流れの原点になっている」と指摘。「日本社会における朝鮮学校差別の現状は、その根底に、長年にわたる誤った歴史認識と排外主義がある。今後も活動を続ける中で、朝鮮学校の実態を訴え続けていきたい」と語る。

今後は、運営委員会のいっそうの機能化と会報の定期発行、さらに同会に賛同した個人、団体同士の繋がりを強めていくことをさらなる課題としている。今年9月28日に、結成10周年に際した関連行事を企画するという。

(周未來)

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