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”明るい笑顔が印象的”/「日朝友好なにわの翼」が訪朝

2013年05月08日 16:56 主要ニュース

【平壌発=姜イルク】日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪の有元幹明共同代表(76)を団長とする訪朝団「日朝友好なにわの翼」が4月30日から5月4日まで訪朝した。大阪で日朝友好運動を繰り広げているメンバーたちで構成される「日朝友好なにわの翼」は2006年から毎年、ゴールデンウィーク期間を利用して朝鮮を訪れている。今回は、一触即発の厳しい情勢の中、勇気のいる決断だったという。「しかし中止するのではなく、朝鮮の姿を自分の目で確かめて、ありのままの朝鮮の現状を広く伝えるために来た」(有元団長)という。大きな力をもらったと口を揃えるメンバーたちは、日本に帰ったあと報告会を開き、日朝友好運動をいっそう活性化させる構想を描いていた。

長慶小学校を参観するメンバー(2日)

「真実伝えたい」

一行は、金日成主席の生家である万景台や昨年完成した平壌民俗公園、綾羅人民遊園地、綾羅イルカ館、柳京院、また、平壌中央動物園、チュチェ思想塔、地下鉄、万景台学生少年宮殿、長慶小学校など市内各所を参観し、板門店や信川博物館なども訪れた。

一行が目にしたのは、メーデーでにぎわう公園や普段どおりの市民生活だった。

しかし、板門店はまさに緊張した雰囲気で、「安全のため」軍人2人がバスに同乗。いつもは見て回れる板門閣にも入ることはできなかった。朝鮮戦争時の米軍の蛮行を伝える信川博物館にはメンバー全員が初めて訪れた。

有元団長は、「朝鮮の人々はいつ戦争が起きるかわからない不測の事態を認識しながらも、市内はとてもおだやかだった」「日本では朝鮮が『挑発』しているかのように報じられているが、核兵器などの殺りく兵器を総動員した米韓合同軍事演習を目前で繰り広げられている朝鮮の方が脅かされているのは明らかだ。日本もこれに加担している。なぜ情勢が緊張しているのかをわれわれが正しく伝えなければならない」と述べた。

9人のメンバーのうち、4人は初訪朝だった。

中学校教諭であり南大阪朝鮮初級学校を支える会会員の岡繁樹さん(60)は、「朝鮮の人々がいきいきと働く姿や、メーデーの日に動物園や公園で楽しそうに休日を過ごしていたことがとくに印象深かった。人民、とくに子どもを大切にする施策に感動し、人間中心のチュチェ思想の意味を少しでも知ることができた」と話した。

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の池上健士さん(44)は、日本のメディアが間違った報道をしていることに気づいてはいたが、自分の目でそれを確かめたくて訪朝したという。「人々は一生懸命働いて余暇を楽しんでいた。日本と変わりない生活を送っていて、明るい笑顔が印象的だった」としながら、一人でも多くの人に真実を伝えていきたいと話した。

大阪人権博物館館長の朝治武さん(57)は、「社会主義という異なる体制の国の現状を見るのは初めて。困難の中で着実に強盛国家に向かっていることを知った。周りに訪朝を反対する人もいたが、実際に来て良かった。また来たい」と話した。

「運動の原動力」

訪朝最終日前日の宴席では、招請機関の朝鮮対外文化連絡協会(対文協)のはからいで結婚記念日を迎える大村淳(66)、大村和子(69)夫妻にケーキが用意された。

大村夫妻は2008年5月にも「日朝友好なにわの翼」メンバーとして訪朝した。

大村夫妻は以前から、朝鮮学校の置かれた厳しい環境、とくに子どもたちが情勢とは何ら関係がないのに差別される状況に心を痛めていたという。「訪朝が日朝友好運動の原動力」(大村和子さん)となり、2009年に「支える会」を立ち上げ、代表、事務局員という肩書きをもって今も毎週火曜日に大阪府庁前で朝鮮学校への差別反対を訴える活動を続けている。地道に呼びかけた結果、会員は当初の50人から180人に増えた。

「年々街はきれいになり、交通量も増えている。また、人々は緊張の中でも明るく、いきいきと前向きに暮らしている。日本のメディアは同じ人間が暮らす国だということを報道せず、好戦的なイメージばかり植えつけている。分断の責任がある日本人の一人として、朝鮮の現状を正確に伝え、日朝友好の輪を広げていきたい」(大村和子さん)

(朝鮮新報)

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