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〈学美の世界63〉表現は社会への行動の追求/玄明淑

2024年04月26日 06:30 寄稿

思春期真っ只中の中級部生、学校生活にやっと落ち着いた2、3年生にもなれば社会の在り方、流行や疑問も含めて自分を取り巻く環境に対して敏感に反応する。そんな日常の中で生徒たちは授業や課外活動で学んだこと、見たことや聞いたこととのギャップに揺れ、何が事実で真実はなぜ見えにくいのかを考える。そう、美術は考える機会を与えて自分なりの答えを探す行為。その思考のプロセスや探し出した言葉や表出した画面に、中高生ならではの瑞々しい感性が光る。授業では個人差もあるが、部活動にもなればその探求の深さはいっそう増してくる。

作品①「見た目」。第50回学美授業部門優秀賞、西東京第1初中中2 安裕美

ルッキズムは「外見至上主義」とも言われ私たちの生活に根深く存在している。メディアやインターネットの影響で、見た目の美しさを重視する「このような外見であるべき」という価値観の押し付けが、広く浸透しているのではなかろうか。見た目を理由に差別的な言動を取るのもルッキズムであり、その言葉自体の認知に限らず、昔から「顔採用」という風潮があることは否めないだろう。

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